悪夢を食べろ!!・・・食べてください。






夢を見た。

それはとてもとても不快な夢であった。

夢・・・と言うよりそれは過去の話である。

その私の人生で最大の汚点と言っていい日の始まりは。

あの毒でさえも栄養源にしそうなディオが風邪をひいた日の事である。

最初、ディオが風邪をひいたと聞いたときは空から槍が降るんじゃないかと思って思わず空を見てしまったほどありえない話なのであった。

そしてディオの風邪は屋敷中を包んでいき、使用人のほとんどにディオの風邪がうつってしまい看病できる人間がいなくなった。

そう・・・嫌な予感はその時からしていたんだ。

見事に嫌な予感は的中、私はディオの看病を父に任されたのであった。

もち、即座に断ろうとしたが断る前に使用人である男に何度も「ありがとうございます」と何度も言われたので、チキンな私は断りずらくなったのであった。

まんまと使用人の作戦に引っかかった私は仕方なく、仕方なくディオの看病をすることになったのであった。




コンコン

『ディオ、入るよ。』

ディオの扉の前で10分の格闘の後に私は決心して彼の部屋に足を踏み入れたのであった。

「・・・・・・・・。」

ディオはどうやら寝ているらしい、何も返事が返ってこない事にホッとした私は彼の枕元に近づく。

・・・・・・・・うん。黙ってたらイケメンなのにと心底思った。

これで中身がアレじゃなきゃな・・・。なんと到底あり得ない事を考えながら、私はディオの汗をタオルでふき取ってやり額に乗っている濡れタオルを交換していた時だった。

「・・・ん。ジョジョ?」

ビクゥッと体が強張ったのを感じて、恐る恐るディオを見れば見事に視線がかち合った。

ノォォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

たぶん私の精神の映像はムンクの叫びを超えていると思う。

だが私はそんな事は表に出すことせずにいつも通りにディオに接した。

『ディオ、まだ寝ていた方がいい。』

とゆうか寝てくれと心底願いながら、私は彼の目を手で覆って暗闇を作った。

こうすれば寝るだろうと思っていたら、ディオの口は予想とは裏腹に開いた。

「お前の手・・・冷たくて気持ちい」

その言葉を聞いた私はバッと窓の外を見た。

・・・・・・・・・・・よし、槍は降ってない!!

バッチリと確認した私はきっとディオは熱で意識が朦朧としているんだと決定した。

そうしないと自分の気持ちが整理できないからである。

そんな私が頭で葛藤しているうちにディオは寝たらしく、また寝息が聞こえてきた。

『・・・・・・・・・・。』

安心した私が部屋を出ようと立ち上がろうとしたら、クイッと掴まれる間隔があって振り返る。

そしたら目を開けていたディオと目があって心臓がドキリと動いた。

ディオの目は熱のせいか、うるうると潤んでまるで捨てられた子犬のようだ。

そんな光景にドキッとするわけもなく、只々私の背中には鳥肌しか立たないのであった。

「いくな、ジョジョ」

子犬の目にそう言われてしまった私。

そしてその時の目を直視してしまった私は、しばらくその場から動く事は出来なかった。




食事の時間になったので、私はディオにご飯と薬と持って部屋に訪れた。

『ディオ、ご飯だよ』

私がそう言えば、ディオはムクリと起き上がった。

そして私をジーッと見ている。

ディオは口をパカッと開けて、私に見せた。

え?な、なに?と思っているとディオの口から衝撃発言が・・・。

「あーん」

バッと私は窓の外を見た。

・・・・・・・・・・・よし、隕石なんて降ってない!!

って、「よし」じゃねぇ!!

あのディオが自分以外の人間を家畜以下と思っているあの中二病真っただ中のあのディオが私に向かって「あーん」て言って口を開けたぞ!!

「風邪」・・・あんた恐ろしいぜ!!

そう思っている私に不思議がっているディオは首をコテンと傾げた。

思わずまた窓の外を見ようとしたのは誰も責められまい・・・。

「どうしたの?母さん」

そう言われて私は合点が付いた。

なるほど、ディオは意識が朦朧して昔の記憶と今が混同しているのか。

私と母親と間違えての行動か・・・・よかった。

心の底から安心して私はスプーンを取ってディオの口もとに持っていく。

『ほら、アーン』















『ってアーンじゃなぁあああああああああいい!!』

思わず叫びながら目が覚めた。

よかった早めに目覚めてくれて・・・・この先はもう二度と思い出したくない思いでだからな。

そう思っていた私は部屋を見渡す、どうも見覚えのない部屋だ。

「まぁ、ジョナサン目が覚めたのねッ!!」

その声が聞こえた瞬間、私の体は何かに包まれた。

『グエッ!!』

かなりのホールド力をお持ちの人である。

そして私は悲劇である夢の続きへと強制連行させられるのであった。







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