お菓子に釣られた雌鶏さん
やぁ、みなさん。
私は自由と平和を愛する高校2年生の一般ピーポーであります。
だから私が求めるのは平凡な毎日であった、決して学校の番長である男との接触ではないのである。
番長と聞いてどんな時代錯誤だよって思うだろうが、ここは70年代の時代なので番長なんて当たり前の時代なので、そこんとこ四露死苦!!(古ッ!!)
でもそんな私の意志を神様はガン無視なのである。
そう、今私の目の前には我が校の最強の番長「空条承太郎」その人なのである。
巨木みたいに大きいその体、鋭い眼光、それを見た私はヒッと声を上げそうになるが必死で口を押えた。
何か反応したら殺やれるッ!!
直感でそう感じた私、ナイスッ!!
マジで怖いぜ、空条承太郎。
私は彼の目にとどまらないように、今日はこの小さい背に感謝しながらダッシュで逃げた。
走りは得意でよかったぜ。きっと今なら音速突破していると思う。
学校にたどり着けばもう安全地帯、私の縄張りだぜ・・・ごめんなさい嘘です。
『おはよう。』
教室にたどり着いて何時もより二割増しの笑顔であいさつをすれば、そこにはさっき見た顔を見た。
「・・・・・・・・。」
なぜあなたがここに?
私は笑顔のままピシッと固まった。
目の前には我が校最強の番長「空条承た・・・なに?・・・・さっきも聞いたって?
こちとらテンパってるんだから、黙ってて!!
それよりなんで走ってきた私より、早くついてるのこの人。
…あぁ、あれか。足の長さの問題かこの野郎。長さ測らせろこの野郎。1m超えてるんだろうこの野郎。
精神はチキンのくせに心の中だけが強気な私である。
まぁ、近くによらなければ害はないだろうう。
そう思って自分の席に座ろとした時だった。
「・・・・オイ、海野」
海野・・・海野って私の苗字だったけなんて頭が混乱しすぎて正常に作動してくれない。
私はギギギと壊れた人形のように首を声の主に向ければ案の定そこには空条承太郎の姿。
彼は我が校の番ちょ・・・これさっきも言ったな。
緑色の鋭い瞳と目があって、背中から嫌な汗が流れるのが分かる。
冷や汗って本当に冷たいんだなと命の危機から現実逃避していた。
そんな私の様子にお構いなしの空条承太郎様は自分の顎で隣の席を差した。
そして衝撃の一言。
「今日から席替えでお前の席はここだ」
ドンガラピッシャーーーーーン!!
な、なななななななぁんだってぇえええええええええええ!!
キッと睨み付けるように、教室の前方の黒板を見た。
「面白そうだから今日、席替えしました。この順でよろしく」
と担任の字で書かれた黒板を見て(死ねハゲ埼ッ!!だからテメェには彼女がいねぇんだよ!!)と心の中で思った。
「早く座れ」
と空条様の鶴の一声で私はすぐさま彼の横の席につく。
キリキリと胃から異常信号を察知したとしても原因が隣にいてしかも席替え不可能な状態なんだ、分かってくれ私の胃
つか本当に怖いよ隣、漫画だったらゴゴゴゴゴゴって言ってるもん。
顔をアップにしたらドーーーン!!って出る顔だもの。
なんなの?そんなに強いなら天下一武闘会でも北斗神拳でも習えばいいじゃない!!
不良がそもそも真面目に授業うけるんじゃないわよ。それ以上に学校に朝から居るんじゃないわよ!!
そう思っていると横から手が出てきてその手にはお菓子が・・・。
まさか。と思ってとなりを見たらやっぱり空条承太郎様の手だった。
「ほら、食え」
そう言われて差し出されたお菓子。
明らかな手作り感満載なお菓子・・・私をエサでつって喰うつもりだな。
甘い、甘いぞ空条承太郎!!そんなお菓子ごときで私が・・・・。
『うまいわね。このクッキー』
私が・・・・・なんだっけ?
「ほら、茶。」
『ありがとう』
承太郎からお茶をもらう、なんていい奴なんだ。
私はいろいろと彼に対する誤解があったようだと思った。
『これ誰が作ったのだ』
「俺のおふくろ」
『ぜひ会いたいわ!!』
「・・・・・・・・なんなら家にくるか?」
『その話のった!!』
『えっ、ちょ、やめ!!』
その時の承太郎の笑顔の意味を私は彼の家で知ることになるのは後、3時間後の事であった。
『ぎゃぁあああああああああああ』