すきです、なんて、言えない。 | ナノ
【すきです、なんて、言えない。】


聖なる夜に交わした
貴方とのやさしい誓い


愛おしさも
哀しみも
肌の温もりも
心の触れ合いも
全部全部
貴方が教えてくれたものだったのに

今、私は、ただひとり、眠りにつく


そうして、目覚める

いつもどおりの朝
いつもと違う心
乾いて罅割れた想い
抱えて、目覚める朝

いつだって私はウソはついていなかった
ただ、自分に正直で在ろうとしただけで
貴方を想って涙した夜もあれば
冷え切った心で貴方の口付けを受けた夜もあった
ただ、自分の為に、口を噤んでいただけで


終わりにしよう、の言葉
貴方がどんな気持ちで
どんな表情で
どんな声で
それを私に伝えたのか
その想いはわからない

わからないけれど
わかりたいとは思わない


冷静なのではない
傷ついていないわけではない

ただ、心から、好きだと、言えなかっただけ


【Fin.】

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後書代わりの戯言

タイトルは、群青三メートル手前 様より頂いたものです。

2010/07/30 再UP


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