straysheep | ナノ
【straysheep】


遠く響く鐘の音
聖なる夜
白い景色
心は迷い
星空に弾ける


――ごめん、そういう風には思えないよ

よりにもよって、この日に。
その言葉を受けてしまった私。
何と言うか、ツいていない、気がする。

(いや、クリスマスに告白するのも、おかしいか)

本当は、好きだと告げた次の瞬間には気づいていた。
貴方が私を、特別には想っていないことではなく。
私が貴方を、それほど特別にはもう、想っていないことに。

(間違えたかな)

毎日でも逢いたい、と想った気持ちに嘘はない。
毎日顔を見て。
毎日声を聞いて。
毎日、傍にいて。

(それが、好きってことじゃないのかな)

これから貴方の中での私の存在は、【貴方に恋している私】になるのだろう。
けれど、私の中での貴方の存在は、【私が関心を持てない貴方】になるのだろう。

自分の気持ちさえもてあまして。
わからなくて。
そんなの、恋じゃない。
相手に関心を持てなくなる瞬間があるだなんて。
…そんなの、恋じゃない。


【Fin.】

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後書代わりの戯言

季節外れも甚だしいですが
これは、いつも大変お世話になっている深谷羊先輩の誕生日プレゼント用に書いていた作品です。
ですが、あまりにもらしくない、くらーい作品になったので、お蔵入りに…ι
なのにここでアップしていいのかしら…(不安)


2010/07/30 再UP


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