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【A Hunter's belief Don't we all−ある狩人の信念−】
So far have not evaluated yourself.
Because I'm no ordinary man.
If you have power but can someone I want to use that power.
I want to protect people with me.
If you have power, it should wield for the underdog.
Even being blamed for their deeds, also made a fool I from this so keep going.

                             ―――――――――

 断末魔の声を上げながら、魔物は黒い塵となって消え去った。転がっている魔力結晶を回収して、リアトリスは一息吐く。
 ギルクォードの町は、皮肉にもシェリーがいるお陰で、大きな被害は殆ど無い。
 時折、横断しようとしたり襲撃に来たりすることもあるが、殆ど彼女によって一掃されていた。
 その代わり、周辺の町村は常に魔物の驚異に晒されており、リアトリスは巡回に出ることが多いのだ。

 そして、今回。リアトリスはオボロに紹介された依頼により、ラントフト村を訪れていた。
 近頃突如現れた魔物達を、駆除する仕事だ。ラントフト村から、数十分歩いたところにはアストワースの町がある。
 しかし、その支部のハンター達は時折巡回をしつつも、依頼が無ければ積極的な魔物駆除は受けないのだ。

 背後で、雷のような火花を散らす音が聞こえ、リアトリスは振り向いた。ティナが一体の魔物を消し炭にしたところだった。
 ニコニコと、屈託のない笑顔を浮かべたまま、ティナがこちらを見て言った。

「おわった、ですの」

 今回はティナが一緒に来ている。傍で話を聞いていた彼女が、同行を申し出たのだ。
 そのことにリアトリスは、少しほっとした心地でいた。ヒースコートと名乗った魔将との戦闘以来、
 彼個人はディックに対して、気まずさを感じていたのだ。

『おまえが、俺の何を知っているんだ』

 その言葉は、一週間以上経った今でも、胸の中で息衝いている。あの赤い瞳で射竦められ、
 感じた恐れを今でも忘れられない。あの時、ディックに対して恐怖を抱いたことに、リアトリスは少しだけ自己嫌悪に陥っていた。

 村にやってきた魔物を、ティナと協力して全滅させたリアトリスは、村長の家に向かう。
 そこで出された、簡単な芋料理を、縁側で口にしながら、しばし休息を取った。
 村長婦人が二人分の茶を用意してくれたらしく、それを乗せた盆を持ってやってきた。

「どうぞ。ありがとうございます」

 茶をありがたく受け取りながら、リアトリスが返すと婦人は安心したように微笑んだ。
 それから、そっと隣に腰を下ろす。

「ごめんなさい。大したもてなしも出来ず……」
「いや、おいら達は全然……なあ」

 ティナに話を降ると、彼女は口いっぱいに蒸し芋を頬張りながら、コトンと首を傾げた。
 なので、彼女から目を離して、リアトリスは再び婦人を見た。

「おいら達は構やしねえけど。でも、ラントフト村の人は……そうも言ってらんねえよな」
「……ええ……多くの者が、命を落としてしまいました」

 婦人の顔が曇った。リアトリスの耳に、ラントフト村が魔物に襲われたという、悲報が入ったのは昨日のことだ。
 村を目指す途中、出会った行商人から、『ラントフト村が、魔物に襲われて死亡者多数』と聞いたのだ――ついでに、
 スタンフィールドを治めるホーストン公爵が、とうとうレッドフォード家の令嬢と、結婚したという話も耳にした。

「もう少し、早く着く予定だったんだけど。申し訳ねえ」
「いえ。こうして、来て頂けるだけでもありがたいです」

 そう言葉をかわした直後。村人が一人、血相を変えて飛び込んできた。
 驚く村長夫妻の隣で、芋を飲み込んだリアトリスは、そのただ事ではない雰囲気に立ち上がる。



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