01


【The end of the story−ある物語の結末−】
Old, old days. Was a young man cursed.
Young people through the power of one woman released from the spell.
And they live happily ever after in lasting happiness.
It is happy, and happy. In the story are rejecting any adversity, always happy to grab hands.
Be a story outside the story, not necessarily in a happy ending.
I'm still, I'm with you want to be happy and hope.

                      ――――――――――――――――
 とある森の中で、魔眼狼ダイアウルフ が群れていた。
 普通の狼よりも、ふた回り程大きなその狼は、濃紫色の毛に覆われており、額には金色の瞳がある。
 二本だけ、牙が飛び出しているのが雄であり、雌は雄より体格が小さい。毛色や三つ目であることを除けば、
 大きさは普通の狼と変わらない。彼らは常々、五匹から十匹程の群れを形成する。気温や季節によって、
 方々を転々とする魔物で、この七匹程の魔眼狼達はこの周辺を縄張りにしているようだった。

 大型の哺乳類を貪っていた彼らのうち、一際大きな魔眼狼が動きを止める。
 向きを森の奥へ向け、低い唸り声を上げ始める。それにつられて、何かに気付いたらしい仲間達も、
 威嚇の声を上げ始めた。やがて森の奥から、ノースが現れる。彼を縛る鎖は、彼が動くたびに小さく音を立てた。
 黒い耳と尾を持った彼は、琥珀色の瞳で周囲の魔眼狼達を見る。

「フゥゥ――――……フゥゥ――――……」

 ノースの呼吸は荒い。目をギラギラとさせて、魔眼狼達を見ている。顔や髪や衣類は、夥しい血で染まっていた。
 じりじりと、後退していた魔眼狼達は、やがて青年から逃げ出した。獲物を放置して、一目散に駆け出していく。
 その瞬間に、ノースは足を踏み出して走り出した。次第に彼は腕も使って走り始める。
 その状態でも、素早く駆けるノースは、瞬く間に魔眼狼達に追い付いた。手近にいた一匹に狙いを定めて、飛びかかる。
 口を大きく開き、鋭い牙を魔眼狼の首に突き立てる。ノースは、激しく抵抗する狼を押さえ付ける。
 仲間を助けようとしたのか、逃げていた四匹が戻ってきた。ノースの足や腕に噛み付いてくる。
 その牙には毒があるとされるが、ノースには効いていないようだ。
 やがて、小さな子犬のような悲鳴が森の中に響いた。


 咀嚼音が聞こえる。狼の腹に顔を突っ込んで、ノースが一心不乱に肉を噛み千切っている。
 顔中を赤く染め上げ、ノースは舌なめずりをした。時折、硬いものを噛み砕く音もする。
 青年の周囲には、赤い血溜まりが三つある。ものの十分程で、四匹の魔眼狼を平らげたノースは、
 大きく欠伸をする。ふらりと立ち上がり、まとわり付く鎖を鬱陶しそうに見下ろした。それも一瞬のことで、ノースはふらふらと歩き出す。
 腹が減っていた。食事が出来るようにと、アベリーは轡だけ外してくれたが、既にこの森に棲む魔物や獣は、あらかた食い尽くしてしまった。
 しかし、アベリーがいない今は、勝手に森から動くことは出来ない。

『いーい? 公演が終わったら、すぐ戻ってくるからね。大人しく、ここで待ってるのよ』

 ノースはくんくん鼻を鳴らす。尻尾を振ったが、アベリーは来ない。
 ノースは仕方なく、雨風が凌げるような、大木の下で横になった。腹が鳴る。




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