01


【One man's lamentation―ある男の慨嘆―】

She disappeared. In the riot hit the city has disappeared.
We left the family became looks like the fire disappeared.
She disappeared when I started get used to the pain came back.
In the State remain not walk in muddy, shivering, emaciated.
We're just delighted.
That has completely changed and she even did come back happy.
However, she also disappeared quickly.Did not meet the 2 degrees.

                               ―――――

 ニルス・カーターは大きく欠伸をする。それを目ざとく見つけ、エリック・スレイマンは鋭く目を吊り上げた。
 非難めいた声で、ニルスに言った。

「任務中に欠伸とは、気楽でいいもんだ」
「そう言うなって。思わず出ちまったんだ」

 罰が悪そうに、ニルスが口を尖らせる。この二人は、スウェインという村に来ていた。
 周囲を丸太で囲っただけの、言ってしまえば質素なその村を並んで歩く。
 乾いた土を踏みしめる彼らの前には、魔物ハンター歩いていた。
 ニルス達が所属する少数部隊の分隊長と、十名前後のハンター達だ。

 このスウェインは、アストワースと同じヴェステルブルグの北西部にある。
 アストワースから一週間弱歩けば、辿り着ける距離だった。アストワース支部は、大きな部隊が駐在しており、
 ニルスやエリックのような、小回りの利く分隊が近隣の町村を巡回している。

 毎年、卯月アヴリールになると、怪人鳥ハーピー達が人里を襲うようになる。
 丁度彼らの繁殖期であるが故のことだった。いつもなら、怪人鳥ハーピー達が人間に対し、
 攻撃的になる時期を計算、予測して動いていたのだが、今年は予想よりも随分と早いものだった。

 スウェインの自警団員が村の惨状を報告に来て、ニルス達は半刻後にはアストワースを出ていた。
 かなりの強行軍で、この村までやってきたのだ。元々、ヴェステルブルグの北西部は山岳地帯となっており、
 その為、高い岩山を巣にする、怪人鳥ハーピーとの抗争は、毎年行われていた。
 痛手を負わすこともあったが、こちらの被害も年々増えている。

「群れ長が来たと? 間違いありませんか」

 痛々しく、包帯代わりの布を巻いた村長は、分隊長の繰り返した言葉に弱々しく頷いた。

「へえ。まるで、雷みてえな速さで、飛んで来ましただ。あっちゅう間に、自警団の兄さん捕まえて、
……あの速さは、きっと群れ長でさぁ。自警団の人、皆村民を守ろうとしてくれましただよ。
だけんど、捕まって、殺されてしまいました」

 それが、つい一週間と少し前の出来事である。村長が話を続けるのを、ニルス達も分隊長の後ろで聞いていた。
 村の復旧作業の音が、離れた所から聞こえてきた。破損した家屋を、修復している音だ。

「それから一日も立たねえうちです。突然、空一杯に怪人鳥が、群れを成してどこかへ飛んでいったんです。
渡りの時期でもねえのに。だけんど、それからうちには、もう怪人鳥が襲ってくることがなくなりました」
「……」

                   ◆


 その後、ニルス達は丸一日かけて、、怪人鳥ハーピーの巣窟とされる岩山へと足を運んだ。
 装備をしっかりと整えて、慎重に様子を伺ったが、そこに魔物の気配は無かった。代わりに、
 激しく争った形跡はあったが、不気味な程に静まり返っていた。念の為周囲を調査したり、
 道具を駆使して岩山を登り、巣穴を確認したり、怪人鳥《ハーピー》の痕跡を探したが、何も見つからない。

 これ以上の調査は無意味だと判断した分隊長の指示により、ニルス達はその岩山を後にした。

 陽が沈み、部隊を移動させるのは難しい為、魔物ハンター達は岩山から離れた場所で、野営をすることとなった。
 野営とはいえ、テントなどという嵩張るものは無い。火を起こし、それを囲んで眠るのだ。
 只、休息するのではなく、魔物への警戒や戦闘になった際、すぐ迎撃態勢を整えられるように、交代制で眠る。

 周辺を巡視する為に、何人かの魔物ハンターが野営地を離れた。
 野営の中心から離れ、見張りをしていたニルスは、誰かが近付いてくる足音を聞く。草を踏むその足音に、
 見知った気配を察して、緩やかに振り向いた。暗がりでよく見えなかった人影は、近付いてくるにつれて、
 その輪郭をはっきりとさせる。

「交代の時間だ」
「エリック。……もうそんな時間か」
「何かあったか?」
「特に何も。平和なもんだ。じゃあ頑張れよ。まあ、何も無いと思うけど」

 その場に残ったエリックと別れたニルスは、野営地に戻った。焚き火の前に腰を下ろす。
 同じ部隊のハンターは、土の上で雑魚寝する者もいたが、用心して座ったまま、眠る者もいる。
 岩山から離れたこの付近にも、魔物の声は聞こえてこない。静かでよく眠れそうだ、とニルスは目を閉じた。
 しかし、すぐに目を開ける。

「おかしいぞ……」

 エリックが来るまでの見張りの時間は、だいたい一時間半くらいだった。
 その間も、魔物の気配や存在は愚か、声や物音一つしなかったのだ。

 更に、彼らが各部隊から似た報告を聞くのは、それから十日余りのことだった。
 支部に戻った他の部隊の隊員も、口を揃えて言うのは一つのことだ。

「巡回した町村での、魔物の襲撃報告は無い。一週間前から、周囲から魔物の気配が消えた」

 人知の及ばぬ所で、何かが起こっている。ニルスはそう思えてならなかった。



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