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「ええっとね。あまり、ぼくもおぼえてないの。こわかったよ。

 まものがいっぱい、おしよせてきて、まちのひとはみんなにげていったの。

 ぼくもね、おかあさんといっしょににげていたんだけどね、おかあさん、まものにおそわれちゃってね。

 おかあさんね。なんども、なんどもよんだんだけど、おかあさんぜんぜんうごかなくて、おへんじもしてくれなくなって……

 すっごくこわかったんだ。なきそうになったけど……あっ、ぼくないてないよ。

 おとこのこだもん。ないてないよ……ええっと、それでね。ぼくもまものにおそわれそうになったんだけど、

 おにいちゃんが、たすけてくれたの。

 あのね。でも、ぼくそのあと、すごくこわいものをみちゃったの。

 それからね、ぼくねてたの。そしたら、まちがぐちゃぐちゃになっちゃってたの。

 ぼくね、おにいちゃんにいいたいことがあったんだけど、でも、おにいちゃんいないの。

 どこにいったのか、おじさんわかる?」



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