Story4


ある少女の評価より。

それはまるで、天上から降り注ぐ賛美歌。

彼女は圧倒的な歌声の持ち主。誰もがその歌声に聞き惚れて、思わず足を止めてしまう。

それはまるで、穏やかな眠りへと誘う夢。

彼女は澄み切った歌声の持ち主。誰もがその歌声に心を委ね、考えることを放棄する。

それはまるで、心に深く染み渡る麻薬。

彼女は悲哀に満ちた歌声の持ち主。誰もがその歌声に心を惑わし、その虜となっていく。

苦痛に塗れる人間は、彼女の歌声を求める。

人々を引き止め、惑わし、誘う彼女は、地上に舞い降りた天使か。

それとも、甘美な快楽を与えうる悪魔か。

どちらであろうと、苦しむ民は無心に彼女の歌を求める。

彼らはみな、ただ救われたいのだ。永劫に続く苦しみから。



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