Story25


彼の深層より

何も見えない。

何も聞こえない暗闇の中。

ただ一筋の光が見えた。

強烈なその光を求めて、彼は無意識に手を伸ばす。

しなやかで冷たいその手を取った。

暗闇から引き摺り出してくれた彼女の笑顔が、今でも彼を突き動かす。

彼女の唇が音を奏でた。

「さあ、殺せ!」



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