Story20


ある男の慨嘆より

彼女が消えた。町を襲った騒動の中で、消えてしまった。残された俺達家族は、まるで火が消えたような、生活になった。
その痛みに慣れ始めた頃、消えた彼女が戻ってきた。やつれ、泥だらけで、震えながら、歩くのもままならない様子で。
俺達は只喜んだ。すっかり変わってしまった彼女でも、戻ってきてくれたことが嬉しかった。
しかし、彼女はまたすぐに消えてしまった。
今度はもう、二度と会うことはなかった。



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