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【The love between a man―ある男の慕情―】
It was quiet. Sound is the sound rising bubbles.
He sunk there from flowed through the years.
Deep, deep bottom, he was waiting for, just come back.
Of from sink, thinking he was a woman thing.
Loved it. Anything else, than anyone else. Loved it. Loved it. Loved it.
He wanted just here watching it. It's only wanted love.
It's just that he loved.
                     ―――――――――

 ヴェステルブルグの東部にある、エルキン地方。そのとある深い森の奥に、アベリーはいた。
 ぐっと伸びをする。そして、両手を投げ出して、品もなく仰向けに寝転がった。
 降り積もった雪の冷たさが、心地良い。隣で丸まって、眠っているのはノースだ。
 彼が少し動くたび、その身体に絡みつく鎖が小さな音を立てる。それ以外、此処には何の音もない。
 静謐な雰囲気に包まれている。

 アベリーは手を伸ばすと、ノースの頭をゆっくりと撫でた。その顔には、金目状の黒い轡が嵌められている。
 普段、戦う時。食事をする時以外には、ノースは殆どこの轡を付けられていた。
 先程、狐や野兎などを二十匹以上平らげ、今は満足そうに眠っている。しかし、不意にその耳が静かに揺れて、
 彼はゆっくりと頭をもたげた。雪を踏みつける音を聞いて、アベリーが振り返る。
 すると、木々の隙間から男が一人、姿を現した。

「あら。何かしら、クロード」

 焦げ茶色の髪を揺らして、クロードは胸の前に手を当てる。
 その顔には、仮面のような笑みをぴたりと貼り付けていた。
 彼はいつも、こういう笑顔を浮かべており、その内情を読み解くことは出来ない。

「ご無沙汰しております、アベリー様。お手紙を、お持ち致しました」

 アベリーは肩を竦める。

「また仕事?」

「今度の雛菊の日デイジーに、ホーストン邸にて開かれる、晩餐会の招待状で御座います」
「あら。公爵様、招いて下さるの?」

 立ち上がったアベリーに、クロードは懐から取り出した、白い封書を手渡した。裏返すと、
 そこには、ホーストン公爵家の家紋が印字されている。アベリーは無造作に、その場でビリビリと封を破いた。
 中に入っていた一枚の紙を取り出す。連名で、自分とノースの名前が書いてあるのを見て、アベリーはクロードを見た。

「なあに? ノースも一緒にいいの?」

 自分の話題であると気付いたノースは、顔を伸ばして手紙の匂いを嗅ぎ始める。
 少し動くと、すぐに鎖が音を立てた。クロードが微笑んだまま頷いた。

「ええ。次の晩餐会には、人間は一人も出席されません」
「ふうん、なるほどね。魔物の晩餐会ってわけ。アタシ、そういうの好きよ」

 アベリーは小さく笑った。そして、ノースの頬を撫でて微笑む。

「あなたも、おめかししましょうね」



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