01


【Customs in some countries――ある国に纏わる習慣――】

Can't people do nothing. An important person in the car is.
Looking up at the twinkling stars in the night sky, lost their worship.
View of light floating in the wind, fires in the sky,
and surrender to the appearance of the deceased and their memories.
It's only temporary, everyone freed from all sorrow and pain.
                            ――――――


「あー、暖けぇ」

 そう言いながら、リアトリスが飲んでいるのはコーンスープだ。
 先日、ギルクォードを訪れた商隊から、オボロが大量に冬トウモロコシを買い占め、それを使って作ったのである。

「やっぱ、寒い日はスープだよな」

 スプーンで出来立てのスープを口に運ぶリアトリスの隣では、ディックが同じくスープを啜っていた。
 あまり美味しいものがないと、そんな酷評を受けている、オボロの喫茶店メニューだったが、
 コーンスープだけは珍しく、リアトリス以外にも高評価を得ている。

「なんか曇ってんな。雪か雨か分かんねえけど、降らなきゃいいんだけどな」

 窓から曇り空を見ながら、そう言ったリアトリスは、
 隣でぼんやりと過ごしているディックの肩を、思い切り叩いた。

「あんたに言ってんだよ、さっきから。無視とか寂しいこと止めろよ」
「え? ああ、ごめん。オボロさんに言ってるのかと思った」

 そんなオボロは、先程帰った客のカップを洗っている。
 二人の腰掛ける隣では、ティナが布巾を使って一生懸命、ゴシゴシとテーブルを拭いていた。
 彼女は前までのピンクのワンピースドレスだと、喫茶店での作業がしにくいということで、
 今は落ち着いた服に身を包んでいた。ピンク色と白色のエプロンドレスだ。この布地も、
 冬トウモロコシと一緒に商隊から買い占めたものである。そして、馴染みの仕立屋にオボロが頼み、
 ティナに新たな衣服を渡したのだ。

 ちなみにティナの店への貢献ぶりを、リアトリスがそれとなく尋ねた所、

「ううん、まあぼちぼち……」

 と、苦々しい笑みで答えたオボロの態度から、評価はなんとなく分かる。
 ティナが皿やコップといった、店の備品を破壊してしまう場面を、ディックもリアトリスも何度か見ているのだ。
 それでも、オボロとティナはそれなりに仲良く過ごし、オボロ自身、ティナをとても可愛がっているようだ。



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