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【Monologue of a woman-ある女の独白-】

I always took the child, and I was walking.
Commitments people have deep sleep,
the activity of the demons is not active time zone.
It is before dawn, I knew.
I walk take the time yet, not young children.
Most people will blame me.
However, we go to another in that time slot only.
I, I just...It is, however, the child was happy.
Loved happy giving the ordinary happiness, he gave is wanted.
I got love, I loved to be.
Child giving the same happiness I gave is not.
However, it was just hubris. It was arrogant of me.
It is not happy that child was born with a curse on me...
                    ――――――――                   

 木の実がたくさん詰まっていた籠は、ぽろぽろと木の実が零れ、既に半分もない。
 泣きながら逃げていく少女を追いかけるのは、六本足の巨大な魔物だった。
 長い首の先には、人間のような頭部が七つある。しかし、その顔には全てに一つずつの目玉しかなく、鼻も口もない。
 どこからか凄まじい腐臭を吐きながら、目の前の獲物を睨みつける。

 激しく息を切らしながら、何度も何度も追いかけてくる魔物との距離を計り、少女は懸命に走っていた。
 しかし、その直後に木の根に引っ掛かって、大きく派手に転んだ。殆ど入っていなかった、籠の中身をひっくり返したが、
 それをかき集めようとはしない。振り返れば、数メートル後ろに魔物がいる。
 大きな声で悲鳴を上げる余裕も無く、只、少女の顔は強張ったまま、その魔物から、目を離せない。
 魔物の顔が全て二つに割れて、その隙間から夥しい数の牙が見えた。カチカチと歯が鳴る。
 可哀想なくらいに怯えて、逃げることすら出来ない少女に向けて、魔物は大きく飛びかかった。

 反射的に目を閉じた少女に、頭上から生臭く、生暖かいものが降りかかってきた。
 悲鳴をあげる。その後、恐る恐る目を開けると、少女の前に一人の青年が立っていた。
 彼の姿を少女が捉えると、今度は魔物の残骸が頭上から降ってきた。また悲鳴を上げて、頭を抱えて蹲る。
 それからしばらくしても、何も起こらないことから、少女は恐る恐る顔を上げた。

 すぐ側に、魔物の頭が転がっているのを見て、悲鳴を上げる。しかし、それは少女の前で、黒い塵へと変わっていった。
 消えていく魔物の中から、握り拳程の水色の宝石が出てきた。一人の青年がそれを手に取るのを見て、
 ようやく自力で立ち上がった少女が声を掛けた。

「あ、ああ、あのう……」

 まだ声が震えて、上手く発音出来ない少女に、ようやく青年は顔を向ける。
 はっと目を引いたのは、右目に巻かれた白い包帯だった。その包帯の所為で、顔全体の雰囲気はよく分からない。
 翡翠のような色の左目は、彼の赤い髪によく栄えている。けれども、どこか暗い炎を湛えているようにも見えた。

 その顔に見入っていた少女に、青年は思い出したように笑いかけた。
 まるで、怯える自分を宥める様な、安心させようとする小さな笑みだった。

「親御さんが、心配している。村に戻ろうか」

                  ◆ 

 その青年の名は、ディックといった。腰に携えている長剣は、随分と使い込まれている様に見える。
 纏っている茶色のマントは、首元で止めるシンプルな作りだった。雨露を凌ぐためのフードも付いていたが、
 長いこと風雨に晒されてきたらしく、少々古びていた。この時代、そんな古臭いマントを使用する者など、居やしない。
 その青年が町の出入り口に向かって歩いていると、

「お兄ちゃん」

 と、少女の声がした。足を止めれば、さっきの少女が駆け寄ってきていた。
 その手には、紙袋が抱えられている。

「さっき、助けてくれたのに、お礼ちゃんと言えなかったから」
「ああ……そんなこといいのに」

 あの魔物退治は、ディックがこの村の村長に頼まれたものだった。
 それに対する、報酬ともいえる魔物の宝石はきっちり手に入れている。
 本当に心から思って、そう返したディックに対して、少女は首を横に振った。

「私もちゃんとお礼がしたかったの。だから、これ」

 そう言いながら、少女が紙袋を渡してくる。掌に伝わるのは、小さな重みだ。

「うちの村の果物。道中、良かったら食べてね。本当に、ありがとうね」
「……うん。じゃあ、ありがたく頂くよ」

 社交辞令のような薄い笑みで返すディックに、少女は手を振りながら走り去っていった。



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