01


【A boy's story―ある少年の話―】
The boy was alone.
Was father or mother with children of the same age, they are both father and mother to the boy.
However, beside the boy, sheep and dogs were together.
Sheep says, "ago going to bed, clean your teeth in it".
"I rely scared “when the dog says."
Boy, sheep and dogs were together, so do not miss.
However, when the village was surrounded by fire.
Burning sheep and dogs, I've lost.
Not remain even a piece, so the boy is eventually alone really, was lonely.
The boy asked for the family. The boy is lonely, I cried. The boy is afraid, and cried.
The boy is only overnight but could not do anything for it and lost all my sad,
frustrated and cried.
                         ――――――――

 ディックは目を覚ました。冬の寒い風が、吹き抜けの窓から入ってきている。空はまだ少し暗い。
 冬は陽が昇るのが、他の季節と比べても遅い。その薄暗い室内で、ディックは隣で眠るシェリーに目を向ける。
 こちらに顔を向けて、小さな寝息を立てていた。実際、百七十以上もある男女が眠るには、少し狭いベッドだった。
 ディックは手を伸ばして、彼女の前髪をそっと払う。僅かに柳眉が歪んだ後、シェリーは蕾が開くように瞼を開けた。
 唇に笑みを浮かべる様は、無邪気な女性のような、そんな愛らしさに満ち溢れている。

「もう起きたのか……。早いな」
「おはよう、シェリー」

 シェリーが、助けを求めた男を焼き殺した、あの夜から四日。ギルクォード周辺では、特に変わったことは、起こっていない。
 どこかで、誰かが野垂れ死んだり、魔物と抗争していたりするかもしれないが、
 ディックにもシェリーにも、それは関係のないことだ。

「よく眠れたか?」

 寝転んだままこちらを見つめて、シェリーはそう尋ねてくる。
 その問いに対し、ディックは小さく笑った。

「シェリー。俺、もう子供じゃないんだから」
「五百年も生きていないなら、まだまだ子供だよ」

 その言葉に、面白く無さそうな顔をするディックを見て、シェリーは明るい声で笑う。

「そう怒るな」
「別に怒ってないって」

 そんな仲の良い姉弟のような、やり取りを二人がしている頃。

 トスカーナ山を、下山している少年がいた。ルクレール鉱山とは反対側に聳える山だ。
 冬の今は、全ての木々が枯れてしまったような風貌で、山全体が寂しい色で固まっている。
 しかし、春になれば様々な動植物で溢れかえり、夏は青々とした葉を空一杯に広げ、涼しい木陰を作ってくれるのだ。
 秋には多くの木の実や茸を生み出し、人々はその恩恵を受けていた。

 しかし、固く太い根が地面から飛び出し、別の根と絡まり、来る者を拒むような、
 なんとも言えない雰囲気が、木々の深奥から漂って来る。そんな雰囲気を纏う山だった。
 また、山ということもあって魔物の生息数も多く、どうしても危険な場所ではあった。
 魔物の巣窟とも言える山を下ろうとする少年は、辺りの様子を伺うように、慎重に足を進めていた。
 肩に届く位の金色髪を、一つに束ねた少年は、その小柄な体躯に不釣り合いな程、大きくて厳しいライフルが背負っている。
 膝や肘、胸などに簡易的な鉄の鎧を纏う姿は、幼い顔立ちにも凛々しさを感じさせた。
 ルルル、ルルル、と唸り声が聞こえてくる。少年はその唸り声に耳をそばだてる。
 そして、ふっと息を吐いた。魔物ではない。只の獣であったなら、少年は簡単に葬ることが出来た。
 少年は故郷である、ル・コートの村を目指して、この半年間歩き続けていた。しかし、その道中。
 強い魔物の気配を感じて、行き先を変更しようとしていたのだ。

「確かこの先は……ギルクォードだっけ」

 魔物と戦い続ける者、魔物と出会う機会が多い者は、魔物の持つ魔力を、肌で感じることが出来るようになる。
 そして、強い魔力であれば、距離が離れていても、ある程度どの辺りにいるのか推測も出来る。
 少年はギルクォードの方向を見ながら、ライフルを背負い直した。魔物がいれば、それを駆除する。
 魔物を人里から追い出して、人の居住区を守る。それが、少年が今も掲げる職務であり、武器を持つ者としての義務だった。

 気合を入れて、下山を再開し始めた少年の腹が、くぅぅと情けない音を立てる。
 それを聞いた途端、少年は急激な空腹を感じた。

――そういや、もう殆どマトモに食ってねえや。

 そう気付くと、腹が休む間もなく音を出す。意識すると、まるで波のように空腹感が押し寄せてきた。
 目がくらくらとする。芋の蔓を齧り、蛇や蛙を焼いて食べたこともあった。しかし、この一週間。
 ちゃんとした物は、一度も食べていない。

――とりあえず、町に行こう。町に着けば、食堂くらいあるだろ。

 少年は足を進めたが、何故まともに食べられていないのか、忘れていた。
 所持金が尽きていることを失念していたのだ。



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