01


【A man in―ある青年の事情―】
He was lying to myself. Live in those societies it is in is that it is absolutely necessary.
People who hate things different. It is to unite quickly if you even slightly different, denounced the foreign.
He was a little stronger than others. It is also injured, was treated immediately.
However, his mother hid it. He is slow of time than others, but she hid it.
He is different from other people, and use magical powers.
Had that hide the mother through life. He learned on the costly,
incompatible and that is my pretending, of peace.
However,...
                     ――――――――――――――

 ショールを頭から巻き、人目を憚るようにアレクシアは歩いていた。
 ディックは彼女に手を引かれながら、夜道を歩く。これで、何度目だろうか。
 幾つもの村や町を、二人は転々としてきた。アレクシアは決して、一箇所に長居することはなかった。
 今にして思えば、彼女は魔物の血を引く息子を、どうにかして守ろうとしていたのだろう。
 初めの頃は、何度も理由を問いかけていたが、

「あそこには、もういられないから」

 と、アレクシアは詳しいことは何も言ってくれなかった。
 そして、いつしかディック自身も、そんな質問を口にすることは無くなっていた。
 そんな生活をずっと続けているので、母もディックも荷物は本当に少ないものだ。
 本当に必要なものだけを、工面して手に入れた、馬の背中に乗せて、無言で歩き続ける。
 一箇所に留まることをしなかったので、親しい友人など一人もいない。
 しかし、ディックがそのことを、苦痛に感じることはなかった。

「ディック、疲れたでしょう」
「大丈夫」

 ディックは首を横に振る。

「まだ、頑張れるから」

 アレクシアが小さく苦笑している。彼女が何を言っても、ディックは「大丈夫」と答えていた。
 幼いながらにも、母一人で苦労して育てていることを、理解していた。可能な限り、迷惑を掛けることはしたくない。

「……ディック。いつもごめんなさいね」
「なにが?」

 前を向いたまま、静かに問い返すディックに、アレクシアは言った。

「あちこち転々としている所為で、お友達を作る時間がないから」
「いいよ、別に。俺、母さんがいればいいから」
「……そう」

 松明を手にしながら、母と二人。魔物の息遣いを耳にしながら、恐る恐る進んだ。
 時に魔物に襲われる度に、ディックは母と共に逃げた。逃げ切れない時には、自分に扱える力を使って、退けた。
 不思議と、その力の使い方は、すぐに頭に浮かんできたのだ。
 そうして魔物を追い払うと、母はしゃがみ込み、ディックをそっと抱き寄せ、いつもこう言ってくる。

「あなたには、お父様が残して下さった力があるわね。
けれど、その力は、決して他の方々の前では、使わないで」

 失うことを恐れるような、強い力で母は抱き締めてくる。

「私以外の前で使ってしまったら、きっと……」
「大丈夫」

 不安そうな母の声に、ディックははっきりとそう告げた。母が翡翠色の瞳で、こちらを見つめてくる。
 その目を、同じ翡翠色の目で見つめ返して、ディックはまた言った。

「母さん以外には、この力のことは言わないし、使わない。だって、使う必要もないでしょ」

 そう言うと、母は何故だか悲しそうな顔をする。

そうね。あなたは、とても賢くて良い子だものね」

 母はその悲しい色を混ぜて、そっと微笑んだ。

「お母さんとの約束、忘れないで」

 彼は決して、その約束を忘れたわけではなかった。



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