父の温もりよ。
蒼き狼 留奈様より






「はじめまして、ララですっ!五歳ですっ!」

「えーと…ルイです。よろしくお願いします」

あまりのララの元気よさに少したじろいたルイ。ララは人見知りと言うより誰にでも好奇心旺盛。今日は久しぶりのベルとルナの共同開拓の仕事が決まり、シャアラの家で食事することになった。

ベルにシャアラ、ルナにカオルは酒を飲み始めたため、子どもは子どもで、とシャアラに諭されララは自分の部屋にルイを招待したわけだ。ララはルイをまじまじ見つめにこやかに聞いた。

「ルイちゃんのパパ、かっこいいねっ!」
「そう…?…」

その発言に素っ気なく答えたルイ。ララは不思議そうにルイを見つめた。

「パパが嫌いなのっ?」
「…ララちゃんはお父さんが好きなの?」

質問を質問で返すルイにララは本を取りだし、ルイに見せた。

「綺麗な惑星でしょ!パパが一生懸命に働いたからなのっ!!」

冥王星。氷で年中覆われた惑星に見事、ベルは針葉樹を植えた。今は林のようになり、いつか森になるその姿を夢見てるんだよ、とララは言う。

ルイは感嘆した。お父さんの自慢はしたことない。ララは本を閉じてニコニコ言った。


「パパは強いし、ララに優しいよ。怒るととっても恐いけど、休みにはいっぱい一緒に居てくれるのっ!パパはお仕事もいっぱいいっぱい頑張ってるのっ!!ララはパパがだぁい好き!」

ララが語った父親と言うものがまるで私の父にはない。

逆にそれが、父親と言うものなのか、――と気付かされたとでも言うのか。

「ルイちゃんはパパが嫌いなのっ?なんで?ララのパパよりかっこいいよ?」

何故か。
嫌いと言う訳ではない。だが、わからないんだ。関わるトキも少なく、口数だって少ない。
……確かにララちゃんが言うかっこいい、はわかる。でも――

「…わからない…よく…わからないよ……」

ララはルイが唇を噛みながら俯くのを見つめた。隣に座り頭を撫でてくれた。

ララは何も言わずただ撫でてくれた。それがすごく心地好く、瞳を閉じる。

******

「あらあら」

シャアラはララの部屋に入る。二人は頭をくっ付け合いながら寝ていた。ルナもシャアラの後に続き入ると、微笑ましい二人がいる。

二人は毛布を静かにかけた。







梅子の感想は「大きな影にて」








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