大きな影蒼き狼 留奈様より
シャアラとルナは二人の子どもたちを見に行った。酒が回りだした身体は少し熱く頭の回転を鈍らせる。隣で変わらず飲むベルをふと見た。
今日はおかしい。やけに本音がでそうだ。ベルはそんなカオルを見つめ聞く。
「どうしたんだい?カオル」
「……いや…ベルは子どもに好かれてるか…?」
ベルは細い瞳を少し開けた。また、お酒をつぎながらニコニコとした。
「ララは…人見知りしないからなぁ…それに…くっついてくるから考えた事がなかったよ…。まだ一緒にお風呂も入るしね」
確かにまだ五歳の甘えん坊なら、こんな気持ちにはならないだろう。
「どうしたんだい?まさか、ルイちゃんに嫌われてるの?」
不意に図星を突かれたカオルは少し口元を緩め笑った。
「嫌われてるのかもな…いや避けられてるとも言えるかもな…」
「…なんでそう思うの?さっきも普通だったけど…?」
一緒に食事をしてた時だけではわからない、家庭事情もあるのだろう。確かにそれをほのめかすルイの態度がなかったとも言えない。
ルナに対しての態度とカオルに対しての態度。それはどこか異なる。同じ家族とは言えない眼差しでそう、たまにだが、異質な何かを見る瞳でカオルを見ていた。
それは確かに引っ掛かってはいた。
「どう接して言いかわからない。ルイに父親として何をすべきかも…」
ポツリと呟いたカオルを見つめ、ベルは一段と目を細めた。
「…笑ってあげなよ。そして、その気持ち、ちゃんと伝えて見よう。カオルが不器用ならルイちゃんだって不器用なんだよ…」
…そのベルの言葉になんとなく懐かしさと、自分のお父さんの背中を―――思い出した気がした。
梅子の感想
留奈ちゃん宅のベルシャの娘、ララちゃんとうちのルイの会話+父親たちの語らいです!!
ララちゃんは「闘病記」に出てくる女の子なのですが、これがまた可愛いんですよ!!
わたくしの日記にその旨を書いたところ、こーんな素敵なお話を UP してくださいました!
若干スランプ気味だったのですが、このお話を拝読した途端、創作意欲がむくむくと頭をもたげてきまして!
無理に頼み込み、いただいてきました(^^)
もうね、色んな意味で感動です。
どうやったらあのルイを上手く動かせるんですか。
書いてみたらわかりますけど、ほんとに彼女は扱いにくいんですよ。
底抜けに明るいわけでもなければ、暗いわけでもない。
おまけに八歳……。
誰だこんな設定にした奴。
そう思っていたら案の定、留奈ちゃんも苦労されたみたいで……。
でもその苦労がこうして形に現れられてるんですから、いいですよねぇ(羨望)
留奈ちゃん、改めてありがとうございました!!
何よりもそのお気遣いが嬉しかったです!!!
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