Shingo & Chaco
「あーあ、ホント世間って一人身には冷たいよね」
「なに言うてんねん十六歳。まだまだこれからやろ」
「でもさぁ、仲間内で一人身なのって僕とチャコだけなんだよ?」
「うちを一緒にせんといてや」
「ここで僕と一緒にいるのがいい証拠じゃないか」
「うちはお子ちゃまな恋愛なんてもうとっくに卒業してるだけや。イベント中はどこもかしこも人で溢れてんねんから、うるさくてかなわんやろ。フツーの日に静かーに過ごすのが大人の余裕っちゅうもんやで」
「そうかなぁ……。ロマンチックさに欠けてる気がするんだけど」
「ロマン? ンなもんで腹がふくれるか? やっぱりまだまだお子ちゃまやなぁ」
「…………」
「…………」
「……はぁ」
「なんやねん」
「もう僕って何でみんなより年下なんだろ……。最初から対象外だったもんなぁー」
「しゃーないしゃーない。あんたの運命の相手はあん中にはおらんかったってことや」
「……運命だなんてロマンチストだね」
「女の子やからな」
「…………。まあいいや」