いらいらする。
いらいらするから自販機を投げた。
いらいらするから道路標識をへし折って殴った。
いらいらするから人をぶん投げてやった。
いらいらするから……
いらいらするから…

すべてこのいらいらが悪い、俺は悪くねぇ。いらいらの発端は蚤虫野郎だからやっぱり俺は悪くねぇ。

そう思いながらいらいらの始まりを思い出せば更にいらいらが募っる。噛み締めた歯がギリと音を立てた。

(なんで、)



珍しく取り立てが順調に終わり、今日のノルマは達成したのでトムと社長に報告を入れ、別れてすぐ特にすることも無くぶらぶらと池袋を歩いていた。
そんな時ふと、会いたいと思って時計を見れば丁度学校が終わる頃合いだった為足を来良へと進めた。

タイミングが良いのか悪いのか着いて直ぐに出てきた帝人に声を掛けようとした瞬間ぐらりと帝人の体が傾いたかと思うと…

(っ、蚤虫野郎)

真っ黒な格好をした嫌なやつの腕に捕らわれていて。みしり、側の壁にヒビが入った。直後、蚤虫野郎と視線があい、笑ったんだ、にたりいや、にやり?そんな感じの嫌らしい笑いを俺に向け帝人の額に頬に口付けた。

(殺す、ぶち殺す)

蚤虫を殺してやろうと思ったが何事もなかったような振る舞いの帝人に出る機会をのがした。
軽くあしらいながら家路に向かう帝人に声をかけれなかった。



(なんで、)

声をかけれなかったんだと、自問自答しながらもすべてあいつが、あの蚤虫が悪いんだといらいらを募らせぶち殺すことにきめた。いらいらしていた際に売られた喧嘩分もプラスしてぐちゃぐちゃにしてやろう。そう思いながら歩いていると服をひっぱられてまた喧嘩を売られたのかと後ろを振り替えれば、

(なんで、)

「みか、ど…?」
「はい」
「なんで、ここに?」
「さっき、学校の前で静雄さんを見たんです。だけど臨也さんに邪魔されて…」

「会えないかと思ったんですが、会えてよかった」

にこりと笑う帝人をみていらいらが止んだ。

(ん?)

「別に今日で無くても会えるだろ?」
「本当は毎日、会いたいです」

だって、静雄さんが大好きだからと照れながら笑顔を向ける帝人につられて俺も笑った。

もういらいらはない。





(帝人、蚤虫に触られた場所全部消毒してやるから)
(えっ)
(覚悟しとけよ)
(あ、あ、あ、)
(簡単にキスされた罰もな、)

((明日学校行けるかな))
((とりあえず明日蚤虫を殺そう))




素敵企画を立ち上げてくださった、主催者さま。この文を読んでくださった皆さんに感謝です。
これからも静帝に愛を注いで行きましょう


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