日頃の不摂生がたたり、起き上がると喉に違和感。そして、jet lagのような頭痛。
そして何より、体の節々が痛み顔を歪める。
昨晩どうやって帰ってきたか記憶がない。ただ床で寝てしまったことは確かである。



「あー、これは、、、」


昨夜、2週間ばかりの長い任務を終えて帰りこれだ。
ゆっくりできたのは束の間。部屋の請求金額はざっと500万。
1億と言ったが、高価な工芸品等は壊れておらず、床と壁と絨毯ぐらいだとその値段だそうだ。
それを返すためになのか、あのときを境に任務、任務、任務の連続だった。

こっちに帰ってくると、マーモンにも少し心配された。
精々倒れないくらい気を抜いてちょうどいいんじゃないか、って言われたような気がする。
がしかし、それを決めるのは私ではなく作戦隊長様様の意見であり私のような新参者は意見など述べることはできない。



ただ、こなしてきた任務の数や内容を振り返ると思うことが1つ。
S.スクアーロ。絶対、面倒くさい仕事をこっちに全て押し付けたな。ということである。
そしてこの任務が終わると1週間ほどの長い休みを貰える予定だった。だからこそ気が緩んだのか。

ただただ体がだるい。重い。少し眠い。









動きやすい私服に変えて、水を求めてラウンジへ行く。
マスクは、少ししんどい。息が上がっているところに遮るものがり一層熱を感じて嫌な気持ちにになる。

一歩一歩、踏み出す足が重い。
揺れる視界、今は花の香りでさえ吐き気を覚える。
メローネがいたら、きっと今の私は最高の興奮材料。最高の母へ。なんてね。
きっと、無言で抱きかかえられて一発栄養剤でも打たれて寝かされるのだろう。
ここではそんなことない。全てが敵と思え。全てが、


とても寂しい気持ちになった
本当はあの場所に帰りたい。優しく出迎えてくれる人も、騒がしくする人も。
皆は私が居なくて、寂しかな…と柄にもないことを永遠と考えているところで気配に気がつかず何かにぶつかってしまった。






「無視なワケ」

王子の不機嫌な声が聞こえ、ハッと前を向くと不機嫌そうに立つ王子の姿。


「(気付かなかった、、、、あ、、不機嫌そう)」



そして、次のタイミングでは彼は、聞こえる程大きなため息をついて、首を掴んでくる。



「だよなぁ、スキありすぎぃ」
そして、大丈夫か、とこっちの顔を覗き込まれる。もちろん首は掴んだまま。
大丈夫なワケがないと思う。首を掴まれて、息ができない、意識が飛びそう。大丈夫なわけない。二度思う。
遠くでもう一人の私がそういう。


「っコホ、寝たら、どうにか治す、」
「それがお前にできるか不安だわ」
「子供扱い、」
「王子より実際、そーゆーところ疎いもんね。はいはい、いい子はねましょーねー」
「、、、ごめん」

意地を張る元気も今はなくて、咳き込んだまましゃがんでしまったら立てなくなってしまった。
王子は少し驚いた顔をして背中と膝の裏に腕を通して抱きかかえ、来た道を歩いて行く。ああ、人肌だ。
いい匂い。目が霞む。寒い。
今まで居た場所は、基本的に甘やかしてもらえた場所だったからなぁ。
やっぱり甘え癖があるんだろうか。
今は何も考えていたくない、頭がいたい、うん。
今は目がどうしても閉じてしまうみたいだ。
殺されることはないと思うけど…と少し警戒しているのだが体がいうことを聞かないみたいだ。
瞼はどんどん落ちて行く







かくっと頭を下ろし首には、熱い息遣い。
「(こりゃ相当無理したな)」

2週間の任務が休みなく立て続けに与えられていた、と聞いたときはスクアーロはこいつを潰す気だと思った。
メキシコ、フランス、中国、2週間で飛んでいたらしい。
スタンドというものの暴走を経て、今では乗りこなしてきているが着実に痩せていき今では入りたてよりも小さく
そして目つきが鋭くなったような気がするあいつを少し心配して、見ていたものだ。
こいつの姿みたら、パッショーネ側から殺されるんじゃねぇか。スクアーロのやつ、なんて思う。
パッショーネでも暗殺部隊の幹部だという彼女は、どこか、掴んでいないとふわふわどっかに行ってしまいそうなやつだ。



王子でさえそんな仕事をしたら数日は、休まないとパフォーマンスが落ちると思う。あいつは絶対体調を崩すだろうと踏んで行くと、やはりこのザマ。
医務室に行くべきか、とも思うがこいつがパッショーネの幹部だと探りを入れられても面倒くさいだろう。

軽い体は、熱を帯びていて震えていた。



「めんどくせぇな」

王子は一人ゴチて彼女を抱えて、部屋に戻っていった。





















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