(用具委員の食満に押し付けられたら一番良いが・・・・・・男子禁制の危険地帯に好んで赴く忍たまはいないよな・・・) そもそも忍たまの用具委員会は食満を除けば下級生ばかりだし、普段から忍たま宿舎や校舎の方の修復で忙しいから、くのたまの方まで手が回らない。 主にギンギンといけどんの二大破壊魔のせいで。 他に手伝いを頼もうにも、皆委員会の委員長だったり委員長補佐だったりと重役を持ってて忙しいし、それがなくても最上級生は忍務に実習にと今まで以上に忙しくなるらしいし ・・・・・・・・・・委員会に所属してない暇人の私が引き受けるしかないか。 「ふふふ、倫太郎ったらそんな顔しないの。終わったら月華楼の和菓子あげるから」 「月華楼の和菓子・・・!?」 《わー、色葉の顔が輝いたー》 「そうよ、あの一日限定三十個の桜の和菓子。倫太郎ために買ってきてあるから、終わったら一緒にお茶しましょう?」 「ハツネ大好きだ!」 「わたしも大好きよ、倫太郎」 《普段は男より漢らしいのに時々可愛くなる色葉、僕も大好きだよ》 「倫太郎、黙れ」 「? 倫太郎、何か言ったかしら?」 「いや、なんでもない。頑張ると言ったんだ」 「あら、やる気を出してもらえて嬉しいわ。・・・それじゃあ、部屋で待ってるわね」 綺麗に微笑んでくれたハツネに笑顔を返して、彼女の背がくの一教室に消えていくのを見送る。 ハツネは数少ないくのたま六年生で、一年の頃から仲の良い女友達。 忍たまとして生活をする私のサポートをずっと引き受けてくれていて、忍務で怪我をすれば新野先生か彼女にお世話になるのもいつものこと。 くのたまとしての能力は申し分なく、先生方や下級生からの信頼篤い優等生。 しかも美人。 誰だって美人と親しくなりたい、優しくなりたいと思うものだろう? …mark?・back?… |