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(・・・・・・“破滅屋”といい“悪ノ運び屋”といい中二病MAXなネーミングだな。前者はともかく後者は冬幸自分で考えたろ? どうせ『この通り名カッケー!』とかなんとか言いながら)



 それ以降は特に何もない。



 強いてあげるなら、粉々に砕いた窓の修理費を冬幸に請求し悪趣味な衣装を引っ剥がした(かなりぶーたれてたが)、満幸にはくれぐれも『やりすぎるな』と釘を刺したくらい。

 今更やつらのイタリアでの所業についてとやかく言うつもりはない。

 あっちの世界のことをおれはよく知らないし、度が過ぎることはよくあるけど一応悪いことと良いことは小さい頃から教えてきたから、あいつらだって手を出す相手を選んでいると信じたい。


 それより、おれとしては満幸と冬幸という弟たちの存在が明るみになったことで、笹川たちもおれにマフィアってことを話すのに抵抗がなくなったようで良かった。

 逆にこんな弟たちを持ったことを可哀想な目で見られたことが胸に突き刺さった。

 仕方ないんだ! 血が繋がっている以上はおれが面倒見ること確定なんだから!

・・・とりあえず弟たちの件で何か迷惑かけるようなら連絡しろと伝えた。

 あまり度が過ぎるようなら、今度はおれも重い腰あげてイタリアだろうがなんだろうがストッパーしに行く。そう決めた。





――そしておれは並盛町に戻った。





 ボンゴレファミリーか風紀財団に入らないかと声を掛けられもしたけど、おれは全て断った。

 故郷ではないけれど並盛町に愛着があったし、喫茶店にはマスターとの思い出があったし、常連さんたちとの繋がりを失いたくなかった。

 また襲われるかもしれないという心配はあったが、満幸と冬幸という弟の存在がバレたことであっちの世界じゃ“接触厳禁!”が広まったらしい。たまにはあいつらも役に立つようだ。



「クロ、今日は忙しくなる。頼んだぞ」


ニャア!



 肩に飛び乗ってきたクロをそのままに、おれはOPENのプレートを手に表へ向かった。

 いつぞや大量の冷凍食品を生産したように、今日は厨房の冷蔵庫にめいいっぱい食材が詰め込まれている。

 鍋という鍋も、器という器も空きがなく、いったいどこの学生食堂だと言いたいくらい状況。

 おかしいな、ここコーヒー専門の喫茶店だったはず・・・。


「三島先輩ー! 差し入れに寿司持って来ましたよっと!」


「野球馬鹿! 10代目の前を歩くんじゃねぇッ!!!」


「春幸、事前のリクエストは全て揃ってるだろーな?」


「あれ全部リクエストしたのーッ!? いやそんな無茶言うなよッ!!」


「京子たちは遅れてくるそうだ!」


「・・・・・・まだ他にくるの?」


「ひぃッ!! すみません雲雀さんっ、でもまだ少ない方かと・・・・!」


「三島ー! 肉あるんだろーらっ!? 肉!」


「三島くん、デザートの準備はできていますか?」


「・・・・手伝い、いるか?」


「・・・・・楽しみ・・・・」





「いらっしゃい」





 おれはまだ幸せを感じれるらしい。




Fin.


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