【推量の表現】
〜だろう=〜ろう
例:「来ないだろう=来んろう」
※ただし、「そうだろう」は「そうじゃろう(現代人は「そうやろう」)」となる。
【勧誘の表現】
〜ないか、〜なよ=
〜んかえ、〜や
例:「食べないか→食べんかえ」
※「〜な(よorや)」は土佐弁では禁止の意味。
【禁止の表現】
「駄目、してはいけない」=「せられん、したらいかん」
※「せられん」の方が主流
※元来土佐弁には「駄目」に相当する語彙はありません。
禁止の「〜するな(よ)=〜しな(や)」
※念押しの「〜するな(よ)=〜しな(よ)」
例:「食べるな(よ)=食べな(や)」、また「食べないで(よ)=食べんとって(や)」
【お願いの表現】
〜てよ=〜てや
例:「食べてよ→食べてや」
【理由を表す接尾語】
〜から=〜き(に)
例:「食べたから→食べたき」
〜だから=〜じゃき…親世代や若者世代は「やき」を使う
例:「そうだから→そうやき」
【時制の表現】
〜ている=〜ゆう(現在進行形)、
〜ちゅう(現在完了形)
〜ていた=〜よった(過去進行形)、
〜ちょった(過去完了形)
ウィキペディアからの例:「宿題やったが?」という問いに対して、副詞などに頼ることなく、以下のように答え分けることができる。
現在進行的:「(今)やっているよ→やりゆうよ(で)」
現在完了的:「(もう)済ませているよ→やっちゅうよ」
【感動・念押し・強調(言い聞かせ)の表現】
〜だ、〜だぞ、〜だよ=〜で、〜ぞ、〜ぜ(よ)
例:「駄目だよ、いけないよ→いかんぜ(よ)、いかんで」
※「ぜよ」は昔の言葉をなので現代人は使いません。「で、ぞ」を使います。女性は「で」のみです。
※〜で、〜ぞ、〜ぜ、〜ぜよ、の順に優しい表現になります(強⇔優)。
また「ぜよ、で」には以下のような意味も有ります。
例:「外は涼しいよ→外涼しいで」
【aiの音がン音便化する】
例:「食べない→食べん、構わない→かまん」
【ウ音便化する】
例:「買ってくる→買うてくる(こうてくる)、早く→早う(はよう)」
【呼掛・促しの表現】
〜しろ(よ)、〜しな(よ)=
〜せえ(や)、〜しい(や)
例:「早くしろ(よ)、早くしな(よ)=早うせえ(や)、早うしい(や)」
【〜ても=〜たち】
例:「そうは言ってもどうにもならないだろう→そう言うたちどうもならんろう」
【〜おけ、〜おき=〜ちょき、〜ちょり】
例:「食べておけ→食べちょき、食べちょり」
【〜ては(ちゃ)、〜ると=〜たら】
例:「食べると→食べたら」
「食べちゃ駄目だよ→食べられへんで(食べたらいかんで)」
【〜やる、〜あげる=〜ちゃる】
例:「食べてやる→食べちゃる」
【〜ってば=〜ちや】
例:「駄目だってば→いかんちや」
【〜が(終助詞。標準語の「の」に相当。平叙文にも疑問文にも用いられる】
例:「いいの?、いいの!(構わない)→えいが?、えいが!(かまん)」。
「そうなの?→そうなが?」、これを強調構文にすると…
男性の場合は「そうながか?」になり、土佐弁では更に強調でき「そうながかや?」となります。
女性や優しく強調する場合は「そうなが?」からそのまま「そうながかえ?」となりまし。
※補足
「そうか?」=「男:そうか(や)?、女:そう(かえ)?」
【その他】
「そうなんだ!→そうながや!」
「〜けど→〜けんど」
旧友に会った時の表現方法
「A君じゃないか!→A君じゃいか!(またはA君やいか!)」
よく有りますが「A君じゃなかか!」は間違いです。
「おんし(お主)」よりも」おまん(お前)」のほうが柔らかい表現。ですが現代人は両方とも使いません。
【長文】
「我が儘言っちゃ駄目だよ、そんな事言ってると、嫌いなもの食べてあげないよ」→
「我が儘言われんで、そんな事言いよったら、嫌いなもん食べちゃらんで」
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