「ごめん」
目の前の彼が謝るのを見て、何が?と思ったわたしはなんて馬鹿なんだろう。
「あの…えっと…こちらこそ、好きになったりして…ごめんなさい」
恋人として君と会うのがつらい、彼はそう言った。
念願の彼と付き合うことになって、一週間。
今日、「恋人」として初めて会うことになっていて、まあ要するに初めてのデートってやつで、わたしは勝手に楽しみにして、はしゃいで、一番お気に入りのワンピースを着て、一番お気に入りの靴を履いて、いつもはしないメイクなんかもしてみたりして、楽しくて、楽しくて、あなたに会うのが楽しみで。
でも、会ってみて最初に言われた言葉が、ごめん、だったわけで。
彼がわたしをそういう風に見てないことなんてずっと知っていたけど。
だから一緒になれたときうれしかったわけだけど。
ねえなんで?
って聞いたら、きっと気まぐれなあなたのことだから、気が変わったんだ、って言うのくらいわかってる。だから聞かない。
なんてひどい言い訳。本当は物分かりのいい女の子をしないと、あなたの恋人失格どころじゃなくて、嫌われてしまいそうで、怖いだけのくせに。ただの怖がりだって、認めたくないだけなんでしょう?
「ベル」
名前を呼ばれただけでこんなにもどきどきしてるのに、結局ちくちく刺す痛みが勝って、喉の奥が熱い。
やめて、やめて、もう呼ばないで。
もうごめんなんて言わないで。
わたしが悪いんだから。

そんな気も知らず、予定通りのデートをして、あなたはいつも通りはしゃいで、元気ない?どうしたの?って聞いてきて、余計にわたしは悲しくなって、わたしの心はあなたがくれたバニラ味のソフトクリームみたいに甘くとろけていって、どきどきして、挽回できないかなあなんて馬鹿げたことを考えたりしてるわたしがいる。


ねぇ、やっぱり、
あなたのことが好きみたい








(一度でいいから好きだと言って)
 



===

はいいろのゆめさまへの提出作品。
素材はすべてxxさまから。

チェレベルも好きだけど、この二人は飽くまで幼なじみ、妹のようにしか見ていないっていう構図もすきです。
そんな自己満足。

素敵な企画、
ありがとうございました!

110221 しゅり

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