確認してから食べましょう
※学パロ、三成視点
私の友人の大谷には彼女が居る。
数日前、昼食を食べている時に大谷に一言「三成、恋人が出来た」と言われた。…初めて聞いた時は思わず耳を疑ってしまったが、刑部の言葉は本当だった。放課後になるとその例の彼女が来たのだ。
刑部は足が不自由なため、奴の迎えの車が来るまで一緒に過ごすためらしい。邪魔しては悪いと思ったので席を外しておいた。(…奴にもとうとう春が来たらしい)
そして今日の昼、刑部はいつもとは違う弁当箱を持って来た。クラスの女子共が持つような花柄でピンク色の物だ。
…刑部曰く、例の彼女が弁当を作ってきたらしい。
弁当箱の蓋を開くとなかなか豪華な物が入っていた。どれも刑部の好物ばかりで驚いた。…愛されているな、刑部。
一人では食べきれないと言ってすすめて来るのでおかずを一つ貰い受けた。………なかなかなのだが…やや酸っぱかった。(タコウインナーが酸っぱいとは…個性的な味付けだ。一体何をかけたらこんな味になるんだろうか)
午後の授業中、刑部が泡を吹いて椅子ごとひっくりかえった。ど、どうしたんだ…!奴の元に駆け寄ると腹部を押さえて「滅びよまだくるな…我はまだ人が苦しむ様を見ていたい…」とエンドレスで繰り返している。
しっかりしろ、刑部!と言った時、何だか私の腹も痛くなって…!腹が尋常じゃない音を立てて悲鳴を上げている。何なんだこの腹を刺すような痛みは。私は何か悪い物を食べたのだろうか。朝も昼もエネルギー食のみしか食していないはずだ。
だんだん目の前が白くなってゆく途中で私の脳裏に浮かんだのは、刑部の彼女が作った弁当の酸っぱいタコウインナーだった。
そのまま刑部と三成は仲良く病院行きになりましたとさ
(刑部……お前の恋人の弁当は酷いな)
(これも惚れた弱みよ、ヒッヒ)
20101009/おわり
*)刑部の彼女さんは料理が不得意だったら面白いなという。(※彼女が大変なお弁当を作ってしまったのはわざとではありません)