三元士と私


(日曜日の風景の続編・短いお話をまとめた物です)





■欲しい物(タクティモン)


「ナマエ、手を貸そう」
「手伝ってくれるの?タクティモン」
「無論」


洗濯物を畳んでいると、今までテレビを眺めていたタクティモンが手伝いを申し出てきた。なんだ、結構いい所があるじゃないか。

テーブルから床に降りると、私の横に来て洗濯物をたたみ始める。(サイズが小さいので彼でもたためるものを渡した)


「ところで…君に話があるんだが」


タクティモンが洗濯物を畳みながら此方を見てくる。…話とはなんだろう。首を傾げてみせると彼は言った。


「ネットで見つけた石川五右衛門の“ざんてつけん”という物が欲しいのだが。鉄に限らずどんなものでも切ることができるそうだ」
「却下!というか蛇鉄封神丸があるでしょ!?」



(…む、ならばライトセイバーを)
(駄目だってば!(手伝ってくれたのはおねだりするためだったのか))







■入浴(ブラストモン)


「ナマエちゃーん」
「はいはい、何でしょうか。ブラストモンさん」
「俺様宝石が食べたいんだけど」
「ねえよそんな高価なもん」


私はブラストモンの言葉をバッサリと切り捨てた。大体貧乏な学生がそんなものを持っている訳がない。持っていたとしても食べられるのはごめんだ。

ブラストモンは、こんな輝きの無い体耐えられなーいと我が儘を言っている。……アニメではイビルモン達がブラストモンの宝石のために苦労しているのを見て、あーあ,我が儘な上司って大変だなあなんて思っていたが、今はもう他人事ではなくなってしまった。


「じゃあ、宝石風呂入りたいなー」
「了解。ビー玉風呂でいいよね」
「ビー玉ぁ!?何それふざけてんの」
「文句言うならカラスの巣にダンクシュートしますよ」


私がそう言うと、ブラストモンはしぶしぶ頷いた(カラスにトラウマがあるもんね、彼)たらいに百均で買ってきたビー玉を入れて新聞を読むタクティモンやクッションでくつろぐリリスモンが居る部屋に置いて、さあ,入って下さいと言うと信じられないこの子という目で見られた。


「タクちゃんやリリスモンの前で風呂に入れってナマエちゃんあんたって子は…!破廉恥!」
「ほぼ素っ裸な状態の君に言われたくないよ」
「じゃあナマエちゃんはタクちゃんやリリスモンの前で裸になれるっていうわけなんだべさのよ」
「なれるか!」
「じゃあ早くあっちに運んでもらおうかな」


ブラストモンは風呂場を指差して私の足を叩いてくる。……こんの我が儘三元士は…!



(ナマエ、私は君のくびれのない体を見ても何とも思わんぞ)
(タクティモン、それ以上言うと畑に埋めますよ)
(フォローが下手ねえ。タクティモン)




20110329/おわり
*)ブラストモンの口調が分からない…!