階段の下にすみれ色
01
銀「あ、やべー。今日ジャンプの発売日だったわ」
いつものように鼻をほじりながら階段を下りる。だが、階段の裏には見慣れない女が一人
銀「・・・どちら様?」
『・・・あ、どうも』
その女の目は吸い込まれそうなほど綺麗な赤紫色をしている
『すいません、傘もってなくて・・雨宿りを少々』
銀「あー、雨宿りね」
気づけば外は雨。今更雨に気づいた俺は頭を掻いて家に戻ろうと階段を上がる
銀「・・・」
だが、雨宿りをしている女がどうにも気にかかって
銀「なー、」
『・・・?』
再び階段を下りて女のもとへ
銀「雨、止むまで家に来いよ」
『いいんですか?』
銀「・・ほれ、傘」
たった少し、階段を上がる時に濡れるくらい。そう思ったが俺は傘を差し出した
すると彼女は差し出された傘をギュッと握って、雨に怯えながら階段を上がった