社会勉強









紫亜は、断頭島へ派遣されていた。
社会勉強という名目で。

(社会勉強でこんなとこ来るかな普通…)

ため息をついた。

「…この子は誰だい」

おまけに黒ずくめの変な人はいるし、

「実戦部隊から社会勉強に来たそうですよ(あー早く帰ってくれねぇかな」

そこのメガネのお姉さんは思ってること丸聞こえだし、

「こんな小娘一人よこしたところで、
このボクの華麗さが霞む訳はないがね」

一番嫌なのはこの人。
口を開けば嫌みとカッコつけた言葉しか出てこない。

「あら夕上さん。そういえばあなたが世話係ですよ」

え??

「ボクが? 暇人じゃないんだぞ」

わざとらしくため息をつく彼。

「あ、あの、私、普通に部屋貸していただければ一人でも…」

「犯罪者ばかりのこの島に、よそ者を一人うろつかせるわけにはいかないんで」

「…そうですか」

お姉さんに言ってみたが、駄目だった。
それどころか、同じ裏会内なのによそ者扱いされた。

「夕上さんの部屋に、もう一個ベットを運ばせておきますから」

「え、この人の部屋で寝るんですか!?

(絶対やだ! 勘弁してくれっ!;)」

「よしてくれ、部屋が狭くなる」

「(そういう問題かっ!)」

「じゃあ用意しなくていいですね」

「ああ、彼女は床にでも転がしておく」

「(こいつ、ひ、人をなんだと思ってっ…!)」

「君、名前は?」

「…東崎、紫亜です」

「へえ、紫亜、か」

彼は、考えるような仕草で口元に指の第二関節を当てた。

「いい名前だ」

「えっ…」

そしてにやりと笑って、踵を返して歩いていく。

「あ、あの…」

「部屋に案内しよう。廊下で寝るなら別に構わないが」

「…それは嫌です」






「…ここだ」

ガチャッと夕上がドアを開けた。

「わ…」

まあ予想通りと言えばそうなのだが、気品のある、整頓された部屋だった。

「君はそのベットを使うといい」

夕上はすっと、自身の寝台を指さした。

「え、でも…」

「明日、床で寝たせいで身体が痛いと言われたら不愉快だからな」

荷物は部屋の隅にでも置いておけ、と部屋に入っていく夕上。

紫亜はためらいがちに彼の後を追う。
静かにドアを閉める。

「…あの、ありがとうございます」

「何の話だ?」

「いろいろ、ご親切に」

「フン、やけに静かじゃないか」

「私だって、良い人につっかかるほど人生諦めた人間じゃありませんから」

「異能者のくせに」

「…」

「かくいうボクもだけどね。でも人生諦めた人間じゃない」

「そーですか」

「……せっかくフォローしたのに棒読みはないんじゃないかい」

他愛もない会話につい嬉しくなって、言われたとおり荷物を部屋の隅に置きながら笑みをこぼした。
夕上はソファーの上に寝そべり、毛布を一枚羽織る。

「楽しそうだな。…ボクは疲れたから寝る」

「はーい」

「君も明日たたき起こされたくなかったら早く寝ることだな」

「おやすみなさい」

「おやすみ」

そのふかふかのベットに潜り込み、仰向けに寝て、
自分が一人で寝るには少し広すぎるベットだなと思った。




to be continue?





な、なぜか途中で切れてましたごめんなさいoyz
PSPで編集した時に切れたのかもしれません><
前と少し違う文章になってます重ねてごめんなさいoyz


2011.6.7(改)





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