13
《side Detectiveboys》
ランボが謎を解けたといった時、コナンはとても悔しかった。
いくつかの仮定はたてていたものの決定打を未だ見つけられてはいなかった。
探偵であるコナンにとって勝負などしてはいなかったが、マフィアだのなんのとのたまうランボに負けたのは悔しかった。
「おい。こっちだ!!」
「え、あ、ああ、おう!」
音をあげて降りてくる屋根を見て、コナンは突っ立っている元太を引っ張って倉の中心による。
おそらく屋根の角度分の隙間があるだろう。
「やれやれ。フランってばいきなり仕掛けを動かすなんて酷いんだもんね」
「ちんたらやってるあんた等がイラつくんですー」
「あー!こんなところに扉があります」
光彦が声を上げた場所に目を向けると取っ手の付いた扉らしきものが見つかった。
「これを開ければいいの?」
「待てっ歩美!」
「え?」
「さっき江戸川君が窓から覗いたときに宝の山を見たでしょ。それって誰かが中にいて仕掛けを動かしたと言うことよ」
灰原が向けてきた視線に頷きを返す。
「だ、誰かって誰?」
「恐らく逃亡中の窃盗犯だろうな」
「「「せっ窃盗犯!!!」」」
コナンはニュースでこの辺りの美術館で最近何度も泥棒が発生し、更にその泥棒が捕まっていないことを知っていた。
もし、その窃盗犯がこの倉の秘密を何らかの方法で知っていたのだとしたら、琢馬君やコナン自身が見た宝の山の正体も分かったというものだ。
もともとこの倉を幕末に建てさせたこの家の先祖が貯めた財産もあるだろう。
だが、窃盗犯がこの家の主人であるおじいさんすら知らない倉の仕掛けを知ってしまったのだとしたら、この倉は潜伏場所として都合がよい。
可能性としてはとても高い。
このまま隠し部屋に子供だけで入るより、刑事さんを呼ぶべきだとコナンは思う。
けれど、すでに犯人を捕まえるんだと決意を固めている子供三人を見て、今までの経験からとめられないだろうと諦めて、いざと言うときに対応できるよう決意を固めた。
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