相反する立場 | ナノ




11

《side Detectiveboys》


「どうやらそのソロバンは何かのスイッチになっていて、間違った珠を動かすとリセットされるようね…」


フランが退いた後コナンがソロバンを弄って分かったことを灰原がまとめた。

それを聞きながらコナンはさらに詳しくソロバンを調べようとして、まともに掃除をしていなかったこの倉だからこそある一点に注目する。


「うーん…。珠に付いたホコリの溜まり具合からすると…、上の2段は一番右端の列の珠しか動かした形跡がなく…、下の5段は、右から3列目と6列目の珠と珠がまったく動かない4列目と珠がぎっしり詰まった8列目以外は動いた形跡がある…」
「えーっと、右から3列目と何列目でした?」
「4・6・8列目だよ」


コナンが光彦と歩美を振り返ると光彦は携帯を弄っているようだった。


「ん?メール打ってんのか?」
「メ、メモですよ!忘れないように」


慌てて言い訳するように言葉を紡いだ光彦にコナンは適当な相槌を打ちつつ考える。


(もう一度あの窓から覗いてみっかな…)


倉の中でのめぼしい物は既に一通り確認できていた。

階段の段差の深さの違いからこの倉の床が深いこと、入り口の上に不自然に神棚があり天井が見えにくくなっていること、珠の数が揃っていなく明らかに何らかの仕掛けとなっているソロバンが壁際に取り付けられていること、元太と歩美の探偵バッジが動いていないことから床が競り上がる仕掛けではなさそうであること。

いまだ倉のカラクリは分からないものの、前にコナンが外の窓から倉の中を覗いた時と違い今は倉に隠し部屋は展開されていない。

もう一度外から中を見たら何か分かるのではないだろうか?

またみんなして外に出て何らかの力が働いても困るから一人で行こうと、ついでに元太や光彦や歩美に入れ知恵を与えている人物を探り当てようと思い、コナンは口を開こうとした。

その瞬間、カンッと何かが落ちた音がする。


「ん?なんか落ちたぞ」
「壁際の方だったような」
「あ!」


歩美が指さした方を見るとランボが何かを拾うところだった。

ランボはソレを握りしめて口を開く。


「俺っち、この倉の謎分かっちゃったんだもんね!」





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