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《side Detectiveboys》
「となると、残るはこの床ね…」
「ああ…、多分、床が抜けてお宝が置かれて本当の床がせりあがるような仕掛けが…」
コナンは同じ考えを口にした灰原と共に目を床に移す。
この倉に何らかの仕掛けがあるのは確実だと踏んでいる。
おじいさんはこの倉は幕末に建てられたと言っていた。
おそらく三水吉衛門のカラクリではないだろうか?
コナンが床を調べようとした瞬間元太と歩美が声をあげた。
「それもねぇぞ!」
「ありえないもん!」
「へ?」
「こっち来て見てみろよ」
元太が床の一部を照らすとそこには線で囲まれた探偵バッジが置かれていた。
「ホラこれ!」
「ん?探偵バッジ…。バッジの周りが鉛筆の線で囲ってあるな…」
「オレがつけたんだよ!そこに置いたって印をよ!」
「歩美のバッジはこっち!」
今度は歩美が倉を進み床を照らす。
すると、元太のと同じように探偵バッジが置かれていた。
「ほら、歩美のも動いてないでしょ?」
「ああ、しかも元太のとはかなり離れているな…」
「なるほど?つまり、この床は広範囲にわたって、スライドしたり傾いたりした形跡はなく、床が抜けて本当の床がせり上がったっていう江戸川君の仮説は的外れだったってわけね」
「ハハ…」
灰原によってさきほどコナンが口にした仮説に止めがさされる。
コナンは苦笑するしかなかった。
「やるじゃないあなた達」
「そ、そうか?」
「えへへ」
灰原に褒められ喜ぶ元太や歩美をよそに、いったい今日三人はどうしたのかとコナンは不思議に思う。
やけに鋭くて、頼りになる。
もしかしたらと頭の中で言葉に結びつく前に光彦が焦ったような声をあげた。
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