相反する立場 | ナノ




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《side Mafiaboys》


ランボフラン含めた少年探偵団は今、下校中だ。

ランボ達が転校してきた翌日からというもの、哀はアポトキシンの解毒剤作りに励んでいた。

その際、ランボとフランは順番にコナンと哀を警護していたのだが、ようやく解毒剤完成のメドが付いたようで哀は日常に戻っていたことで理由は知らずともメンバーが揃っていることに歩美、元太、光彦はご機嫌に歩いている。

例え、解毒剤が完成してもまだもとの姿に戻るわけに行かないからコナンにはそのことを告げていない。

校門では担任の小林先生が一人一人にさよならを言いながら見送っていた。


「そーいやこの前、光彦事件がどーとか言ってたよな?」
「そうそう、確か倉がどうとか…」
「ああ…。もののけ倉の事ですね!」


元太がふった話題に歩美が食付き光彦が思い出したように声をあげる。


「もののけ倉?それ、なんなんだもんね?」


けれど、ランボにはその話題に思い当たるふしがなく聞き返す。

隣を見るとコナンもフランも知らないようだった。


「ええ…。ウチのクラスの琢馬君が、米花町5丁目にある親戚の家で友達とかくれんぼをしていた時の事らしいんですけど、友達がぜんぜん見つからなくて、もう倉しか捜す所がないと思い…。木に登って倉の窓から中を覗いたら…、高そうな美術品などが大量に置かれていて、そのお宝の影から誰かがこっちを見ていたそうです…」
「それ、かくれんぼしてた友達じゃねーのか?」


訝しげに突っ込んだ元太に光彦は丁寧に答える。


「琢馬君もそう思って中に入ろうとしたけど、扉に鍵がかかっていて友達の名前を呼んでも出てこないから、家の人に鍵を開けてくれと頼んだんです。そうしたら家の人は…、その倉はもう何年も開けてないから、人が入れるはずがないって言われて…」
「そ、それで探すのあきらめちゃったの?」
「いいえ!琢磨君が絶対人がいたと言い張り、鍵を開けてもらって中に入ったら…、さっき見たはずの人やお宝は影も形もなくなっていて、不思議そうな顔をした琢馬君に、家の人がその倉の言い伝えを教えてくれたそうです。『この倉に大切なものを置いてはならない。置けばたちまち消えてしまう。大喰らいのもののけ倉に飲み込まれてしまう』って…」


光彦が恐ろしいものを見たような顔をするもんだから、歩美と元太もつられる。


「えぇ〜!?」
「ま、まさか捜していた友達も倉に喰べられちまったのかよ!?」
「まっさかー、んなことあるわけねーつっの。赤ちゃんだって分かりますよー」


せっかくのホラーの雰囲気を潰すフランしたフランに光彦は同意した。


「フラン君の言う通りです。その後すぐ別の所からヒョッコリ出て来たそうです。でも、そのショックで琢馬君は毎晩悪い夢にうなされてるらしいですけど…」
「今日も学校お休みしてたもんね…」
「なるほど…」


小林先生が突然会話に加わってきた。

いつから聞いていたのだろうか?


「大喰らいのもののけ倉…。まさに奇奇怪怪な江戸川乱歩の世界ね…」
「こ、小林先生…」
「問題はその倉!一刻も早く我ら少年探偵団でその倉の謎を解いて、琢馬君を安心させてあげなきゃいけない…」


何故か盛り上がり出した先生を尻目に探偵団は走り出す。

そういえば、小林先生は少年探偵団の顧問だったとランボは思い出した。


「――って…。ちょっとー!探偵団顧問の先生を無視しないでよー!」
「小林先生が来るといろいろ面倒ですから!」
「そこは入っちゃだめとかもう帰る時間だとかね…」
「足手まといだしよ!」


歩美と元太と光彦は楽しそうに笑う。


「それじゃあ、その問題の倉5丁目にあるらしいし…」
「同じ5丁目の毛利探偵事務所に集合ってか?」


ランボは今日の放課後はもののけ倉探索になるらしいと悟り、コナンと関わってからというものの事件の遭遇率を思い、今日こそ何もないでくれと祈った。



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