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同窓会、それは同一の学校の卒業後の元生徒を会員として構成される団体のことである。

現・旧教職員も特別会員等の形でその一部を構成し、会員相互の親睦、母校への援助を会の主な目的としていて、その活動内容は、総会、定例会の開催、会報や会員名簿の発行、母校への寄付、会員の研修会や講演会など多岐に渡る。

同窓会は、卒業年次による先輩後輩という縦の関係と、同期卒業の横の関係を基盤として、対内的には情緒的な共同体意識を作り上げると共に、対外的には、いわゆるコネや学閥という利益集団の形成という社会的機能を果たすようにもなる。

とまあ長々と同窓会について説明したがこの日この場で行われるのはかつて並盛中学校の3年A組だったメンバーの数名がが久しぶりにクラスメートに合いたいね!と非常に軽いノリで話し合い、計画し、手紙を出し、その割には豪華なとあるホテルの中部屋を貸しきったパーティーだ。

そう、だから、このパーティーの目的はあくまで久しい仲間達と語り合い、美味しい食事を食べ合い、お酒も交えつつ騒ぐことなのである。

その予定だったのだ。



今その会場では一人、若しくは二人一組になり小さな声でひそひそ話すか静かに食事をとっているかが大半という、予定から大いに外れた状況にある。

そこに参加する人々は決して三人以上集まらないよう気にかけていたし、大きな声で喋るだなんてことをしないようにとそれが暗黙の了解であるかのようにじっとしていた。

そこに参加している者達の心情を一言、いや二つの単語で表すのなら、疑問と恐怖だ。

この二つの感情が発生する原因は決して別けられるものではない。

そしてその原因というのは、本来ならこの場にいるはずのないとある人物にあった。




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