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ボンゴレ屋敷の中をうろうろしてみる。
ふらふらーと辺りを見渡しつつ、今度書類やら何やらのあるところに忍びこもうと計画を立てる。
ここに住むことになるという話だけれど、きっと家光も九代目も勿論リボーンだってマフィアのことについて話してはくれないだろう。
だったら、調べるまで。
あぁ、あとそうだ。
パソコンやりたいって言ってみよう。
『過去』なのだし、そんなにセキュリティーは高くないと思うし。
表の理由はゲームしてみたい、でいいだろうか?
いや、無理がある。
これからの時代はパソコン使えると便利な気がするから。
こっちの理由じゃあ、具体性に欠けるかな。
等々考えているうちに、だいぶ離れまできてしまった。
そろそろ引き返すかなと思ったところで、ヴァリアーのボスを発見した。
……違った。まだ、彼はその肩書きを持ってないはずだ。
ええとだから、最有力十代目候補のザンザスって考えておけばいいか。
あ、気づかれた。
たぶん、何でここに子供が?とか思われてる。
よし、話しかけてみるか。
「ねー、あなたはだれ?」
すると、めんどくさそうにいやこっちを見た。
殺気付きで。
うん。無視しよう。
「ちなみにボクはねー、ミユってゆーの」
(<>この記号のなかはイタリア語です)
「<失せろ。餓鬼が>」
ありゃ、ザンザスはまだ日本語喋れないようだ。
それか、喋る気がないのか。
「ええと、<にほんご、むり?>」
片言単語ぶつ切りでイタリア語を喋ってみる。
うーん、言葉は大切だよね。
1ヶ月、いや、1、2週間くらいでイタリア語をマスター、のフリをしよう。
「<ちっ、失せろっつったのが分からねーのか。日本語なんざ知らねーよ>」
「<しらない、むり>」
「<だいたい何で日本人の餓鬼がいんだよ?>」
これは会話成立と言えるのだろうか?
まあいいや、と身ぶり手振りで頑張る。
「<ボク、沢田美優、名前、あなた、何?>」
「<ザンザスだ>」
あっ、やっと会話が繋がった。
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