ボクの二度目の人生は | ナノ




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結局両方夢なのか、としばらくは楽観視していた。

というか、そう思い込もうとしていたというべきか。

起きても起きても夢ってパターンは漫画とかの常套句だし、なんて。

赤ちゃんの夢の時は必死でミルクを飲んだり、泣いたり。

はっきり言って恥ずかしかったし、虚しかった。

屋敷での夢の時は仕事もないし暇だーだなんてことなく、図書室で本を読んだり、剣技や銃の特訓したり、お茶したり。

例え、意味ないなと思っても覚めない夢をどうすればいいか分かるはずがないし。



1、2週間くらいすぎて、さすがに焦る。

いやでも、意識不明の重体かもなんて、仕事柄有り得なくはない仮説を立ててみた。

ボクの仕事はマフィアだ。

それも、世界一の最強ファミリーであるボンゴレ。

その特殊独立部隊スペイジオのボス兼10代目の守護者、それがボクの肩書きだ。

属性は光と闇で、これはボクの使用しているステラリングの特殊性もあるけど、自らの特殊性ゆえでもある。

本来、守護者は6人のところに割り込んで7人になっているのもまぁ、その特殊性故と言えると思う。



そして、1年も経った頃には半ば諦めがついてきた。

これは夢だ、という希望はもてなくなってきたんだ。

だって、少なくとも赤ちゃんの時なんて現実味が在りすぎるし。

屋敷の方はそれこそ精神世界のように感じられて、まるで、そう、まるでそのことを受け入れきれないからこその代替、とでも言うべきかのような何かを感じる。

夢でないのなら、きっと、パラレルワールドに転生してしまったのかもしれない。

本当に本当に本当なら…………笑えない。

最悪だ。

そう、思った。








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