退屈を消して 現代パロ・高銀

あ~ぁ…、ほんっと学習能力の無い奴等。
こんな甘っちょろいセキュリティで俺を阻めるとか、本気で思ってるなんて。
コイツ等に比べたら、俺のパソコンちゃんの方が何倍もお利口さんだって。
人工知能に負ける人間って、もはや人として終わってるじゃん。
うっわ、かわいそ。
な~んて、思ってないけど。
さて、と。
「何か面白い事ないかな~っと」
テキトーにシステムを乗っとりながら、面白い事がないか調べる。
これは別に依頼ではないので、自分の好きなように動く。
まぁ、これが依頼でも自分の好きなように動いてるけど。
最近、面白い事がなくて退屈なのだ。
それこそ、どこかの国の重要データを流出しよっかな~なんて考える程度には。
あこ、最近調子に乗りすぎな気がするし。
ま、こんなちっちゃな島国に居る俺が言えるような事じゃないかもしれないけどさ。
「ん~…、ハズレ、かぁ」
面白そうな情報も、システムも無かった。
期待外れにも程があるって。
とか言っても、期待なんて最初からしてなかったけどさ。
もしもあったらラッキー、程度のものだったし。
「んじゃ、これを置いて…、っと」
俺の作ったびっくり箱を置いて、ちゃちゃっと退散。
このびっくり箱、開けると白猫と黒猫が躍りながらシステム破壊するっていう可愛いやつ。
ちなみに、ウサギさんバージョンもあるよ。
どんな反応してくれるのか、ちょっと楽しみだな~。
あ、そうだ。
「こっちのは若様にあげよ~っと」
さすがに鬼兵隊のデータを壊すのは万斉くんが世を儚んで首を吊っちゃいそうだから、若殿のケータイに。
そうだ、どうせなら歌って踊るウサギさんの方が良いよね。
なんの歌にしようかな~…。
若君にあげるびっくり箱の事を考えてたら、さっきまでの退屈はすっかり無くなっていた。
くすくすと笑いながらびっくり箱を送信。
「ほんと若って面白いね」
ここに他の人物が居たら全力で突っ込みそうな事を言いながら、チョコレートを口にした。

その後すぐに若頭から電話があって、
「カワイイでしょ?」
って言ったら何故か怒られた。
やっぱりカルシウム不足だって。
ちゃんと牛乳飲まないからだぞ~って言ったら、キレられた。
そして、俺と鬼兵隊の鬼ごっこが始まったのだった。
「やっぱ最ッ高!」
俺がこの世で1番嫌いなモノは、退屈。
それを忘れさせてくれる鬼兵隊は、本当に感謝してる。
ま、だからって、それとこれとは別だけどね。
組長との結納を~とかって言ってくる奴等に、べっと舌を出した。
てか、何故に結納。



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