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(学パロ風味なカイ凌/何故か同じクラス)


最近隣席の神代凌牙の事が気になって仕方無い。そうなった切っ掛けは本当に些細な事で、俺の落としたシャーペンを神代が拾いその際垣間見えた神代の控え目な笑顔が頭から離れないのだ。表面上は意地悪気に見えるその笑みの中に含まれた優しさ、それが俺の心を見事に射止めた。そういえば神代は弓道部だと親友から聞いたが、…なかなかいい腕をしている。教師が問題の解答を説明する中何となく隣席の神代を横目で見れば其処には睡魔に敗れた者の姿が在った。片肘を突いた姿勢で眠る神代の姿は酷く綺麗に思えて、つい伸ばしそうになった己の手を慌てて戻す。

「……神代、あの教師の前で寝るのは危険だ」

ぼそりと聞こえるか分からない程の小さな声で神代に話し掛けると僅かに肩が揺れた、ような気がする。じぃっと凝視していると徐々に伏せられていた瞼が開き、青い双眸が姿を現す。そして俺の方を一瞬だけ見てから意識を教師へと向けた。黒板に書き綴られたものを全てノートに写していることからその辺りは真面目だと思う。

「…助かった」

不意に聞こえた声に知らず知らず口角が上がる。明日こそ積極的に自分から話し掛けてみよう、神代の横顔を眺めながらそう思った。






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