暖かく熱い気持ち



「ソーマ!今日はキスの日だってよ!」

そんなことを朝から何回もいう彼はする相手もいないくせに今日も元気だ
そんなことを言うばかりのコウタに俺はほとんどスルーで終わらせていた
逆にコウタを相手にちゃんと話すことはあまり多くはないが彼はそんなには気にしていない
それに変な名前のつけられた日でも結局は俺にとって神を殺すだけの一日なのだ


午後の任務が一つ終わり少し休憩を挟みながら次の討伐任務の内容を確認しようとエントランスへと向かう
いつもは何人かいるお喋りな神機使いも今はおらず静かなエントランス
一階で任務内容を確認した後二階のソファーで少し休もうと階段を登ればその際にソファーに誰かが横になっているのが見えた

ソファーの元に近寄ればそこに横になっていたのは最近忙しく余り目にしていなかったトウだった
いつもは人の気配に敏感なヤツが珍しくその目は閉じたままで静かな呼吸を繰り返しながら眠っていた
眉間にはシワがよっていてあまり気持ちよい睡眠を取れてはなさそうだ
こんなところでこいつが眠っているとはよっぽど疲れているのだろうか
周りに誰もいないことを良いことにボーとその顔を見つめる

新人から隊長となりリンドウを救った男
初めの頃を思い出せばこいつのがんばりはすごいと思ってしまう
こいつの自己意識の高さがここまで成長させたのだろう

いつもは前髪で隠れている額が見えそれに触れたくなる
触れたらさすがに起こすかもしれないと我慢しようとするが珍しく無防備に眠るトウを見るとやはり触れたい
しかも今日はキスという日だというのを思い出してしまった
周りに人がいないのを確認したあと屈んで前髪をそっと額がもっと見えるように分ける
キスの日だからキスをする訳じゃない、ただトウの顔が久々に見れたような気がしてだから触れたくて

そして音もたたないような静かなキスを額にした

勢いよく顔をあげれば気配でばれるだろうとそっと立ち上がる
少し満足したがまだ今一つ足りない

今度はかさついた唇にそっと自分の唇を触れせるとトウは「・・ん」と小さく気だるくも少しイヤらしさのある声を出してその際に感じた吐息に自分がすごく恥ずかしいことをしたことに気づいた

胸の奥がバクバクとうるさく恥ずかしさと嬉しさでいっぱいになった
これはコウタのせいではない
無防備に眠っていたヤツが悪いのだ
トウの珍しい寝顔を誰かに見られるのかもしれないのかと思うと起こしてしまいたくなるが忙しい毎日を送っているヤツの睡眠の邪魔をするのかと思うとそれはできなかった

この場にいるのは恥ずかしくてたまらないので討伐対象のアラガミについての確認をするために自室のノルンへと向かう

今度は彼が起きているときに








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