続き。やっぱり遊星とクロウとバク獏でチラッとオカルト。


ーーーーーーーーーーーーー


なんとかギリギリバスに乗れた。ひとつだけ空いていた二人掛けの席にドサッと腰かける。

「バクラがあそこで立ち止まってたから!」
「いや、立ち止まってたのはお前だろ…少なくとも時間的には9割お前のせいだろ」
「もう、間に合ったからいいじゃん」

ひとしきり言い合って息をつく。勿論周りを考えて小声ではあったが。静かになると、見計らったように前の乗客が振り返って声をかけてきた。

「な、お前らさ、さっきの路地で何してたんだ?」

ここで初めて相手が同じ学校だと気づく。何しろ2人ともバイク通学をしていて名の通った後輩なのだ。勿論バイク通学は禁止されている。オレンジの髪を逆立てた、声をかけてきた方がクロウ…なんとか。黙ってこっちを見ている黒髪金メッシュが不動、だったはずだ。なんでも年は自分たちと変わらないらしい。

「何って…何にも?」

こういう応対は物腰柔らかな宿主がする。確かに傍目に怪しかっただろう…

「何もないところでかなり立ち止まってなかったか?ちょうど窓から見えたんだ」
「俺達が何してたかなんて、なんでそんな知りてぇんだよ?」

今度は決して物腰柔らかではない俺様が対応。別に咄嗟に口を出した訳ではない。宿主に任せると変な事を言いそうだったからだ。オレンジ髪は僅かに逡巡すると、他の客に聞こえない声でこう言った。

「俺達も思わずあの場所で立ち止まったからだ」

***

そんな問答から1分程前。発車直前のバスの中、遊星とクロウは混んでいる車内を気遣い、隣合って座っていた。窓側のクロウが外を指差す。

「おい、遊星見ろよ」
「なんだ?」

指の先では同じ学校の先輩──年は変わらないのだが、性格が全く似ない有名な双子がいた。一人は札付きの不良、一人は穏やかでファンクラブがついている、との噂だ。背中まで伸ばした銀の髪がそうでなくても目立つ、と遊星は思った。
「あの2人、俺たちと同じところで止まってるぜ」
「……」
確かにそうだ。明らかに何かを見ている。どうやら少し揉めているようだ。何もない路地裏に、立ち止まる原因があるとしたら…答えは先程のアレ以外の可能性は極めて低いだろう。こんなヤツは初めてだ。

「乗ってきたら聞いてみようかなー」
「そうだな」

相手は自分たちと同じ学生だ。2人とも気になった。……そして今に至るのである。


***

「えっ?君たちもオカルトに興味があるの?」

宿主が目を輝かせ身を乗り出してきた。バッカ、声がでけーよ。

「……いや、そーゆー訳でもないんだけど…」

オレンジ髪は若干ひいてる。そりゃそうだ。こいつのオカルト趣味に付き合えるヤツは滅多にいないだろう。

「まさか僕達以外にも見える人いたなんてびっくりだよ」

確かにそれはそうだ。しかも2人ともだなんて珍しい。決して黒魔術や謎の儀式に興味があるようには見えないが。

「宿主、次で降りるぜ」
「あ、ホントだ…ね、君たち名前は?」

「俺はクロウ・ホーガン。中坊のときは鉄砲玉のクロウ様で通ってたんだぜ」
「俺は不動遊星。」

「僕は獏良了。こいつは…」
「俺様はバクラで通ってる」
「学校同じだし、よろしくねー!じゃっ」
「じゃーな」


「じゃーな!」
「ああ、また」


クロウと遊星に別れを告げ、バスを降りる。去り際に小さく手を降っているのが見えた。


***

「おもしろいな…あの双子」
「ああ、オカルトだのなんだのにはびっくりしたけどな。つーかあっちは名字で呼べって事か?」
「…きっとそうなんだろう」




ーーーーーーーーーーーーー
収拾つかなくて無理矢理終わらせた感が…すみません。修正する可能性大。これは導入みたいなつもりだったんですが…色々キャラ絡ませたいだけです。

戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -