Have a good cat!


「猫にマタタビやるとあんな感じだよね」とは白鳥の談。
「彼女怒らせてオアズケ食らった後、久しぶりに口きいて貰えた時のダチがあんな感じだった」とは真屋の談。
「品のない例えやめろよ、でも確かにそのまんまだけどな」とは桂木の談。
「生き別れの兄弟の再会に見える、なんかキラキラしてる」とは岩本の談。
「……だな」ほぼ無言で頷いた向井。

 彼らを含め、葉蔭学院高等部の今期卒業生たちが何を見ているかと言えば、同級生と可愛い後輩、なのだが。

「鬼丸……元気にしてたか?」
「はい!」
「無理はしてないか? チームを纏めるのはキャプテンの仕事だが、必要な時は必要なだけ周りを頼るのも仕事の内だぞ」
「大丈夫っス! 大月もタクも支えてくれますし、何よりセカンドチームの皆が色々手伝ってくれるんでなんとかやれてるっスよ」
「それは何よりだ」

 向かい合って立っている新旧キャプテン、飛鳥と鬼丸。
 その周りの空気が、岩本の言う通り、やけにキラキラしていた。主に輝いているのは鬼丸の目なのだが。
 部活の中では後輩を贔屓しない飛鳥だが、部活とは別の場所でも同じレベルでプレー出来る人間として、飛鳥が鬼丸を可愛がっているのは周知の事実だったし、今でもそうだ。
 知っていて尚、フィルターが掛かって見えるこの光景。

「あれさ、飛鳥、ぶっちゃけ抱きしめたいんじゃねぇの? なんか手がソワソワしてね?」
「一応残ってる理性で耐えてるみたいだな」
「今我慢した分、練習後の鬼丸が心配だな」
「明日鬼丸が朝練出てるかどうか、賭けねぇ?」
「全員同じ方に賭けるから賭けが成立しねぇよ」
「それもそうだなー」

 さて、数ヶ月ぶりに飼い主に会えた灰色子猫の、運命やいかに。


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ねこの日に寄せて。にかちゃんからリクエスト頂いた飛鬼っ!
ネコです。鬼丸ですもの。ネコです。二つの意味で。うん。

12.02.23(にゃんにゃんみぃ、の日) 加築せらの 拝


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