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その日はクラウドとジタンがいかにカツヤが可愛いかと白熱した議論に入ったがために、秩序軍から置いてけぼりを食らったことが始まりだった。

秩序軍はカツヤが来てから数名が聖域に残ることにしている。
丁度いいと光の戦士が言ったため、大きな声であそこが可愛いだの禿げ死ねるだの口から飛び出している2人をおいて来た。

いってらっさーい!とぶんぶん手を振るカツヤにすぐ帰ると言って残りのメンバーは偵察に行った。

そんな時を待っていた不穏な影がカツヤの背後に迫る。


「?」

ぱ、と振り向くとそこにはなぜかちょこんとクマの人形が座っていた。

「くまさん!」

てけてけと近づいたカツヤは、その綿の詰まった身体を抱えようとした。

すると、クマの人形はスク、と立って離れた位置に座りなおした。


じっとクマの行動を見ていたカツヤはあは!と目をらんらんと輝かせてクマの後を追う。



だいぶ遠いところにまで来ると、そろそろカツヤも飽きてきた、もしくは寂しくなってきたのか浮かない顔をしてカツヤの武器である鐘を取り出した。

鐘を取り出したかとおもうと、その場に四つん這いになって鐘をからころと鳴らせ始めるカツヤ。

「おいでー?いっしょにあそぼー?こわくないよー?」

こて、と首を肩に置きながら鐘を前に出してしきりに振っている。

するとクマは立ち上がり、カツヤへと歩き出してその腕におさまった。
ぎゅ、っとしがみつくカツヤにクマは、すり、とカツヤの柔らかいほっぺに鼻をくっ付けた。

途端にクマで遊び始めるカツヤだったが、クマはそれ以降ピクリとも動かなくなってしまい、ちょっと残念そうにしていたカツヤだった。


クマのぬいぐるみを抱きかかえたまま、カツヤはもといた場所へと踵を返していく。






雪柳は今日も可憐で

(ただいまー!)
(おう、おかえり!)
(じーちゃんカメラどうしたの?)
(なんでもないさっ)
(クラードもビデオ持ってるの?)
(ああ、いい絵が撮れた)
(?よかったね!)
((可愛いっ))




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