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ひかりのくびわ
※アニメ最終回終盤の話









ずっと、見ていた。この世界を見守る者として、自らの役目を全うするために。
ずっと、視ていた。彼らの行く末を。彼女の逝く末を。

「私、幽霊なの」。

あの日。そう言って、にっこり笑った彼女を思い出す。
無邪気な子供の用に屈託のないあの笑顔が、とても眩しかった。


――ヘルサレムズ・ロット。崩壊と混沌の街。


瓦礫の上で、彼らより少し離れた場所で、彼女をそっと見送った。きらきらと、いつか見た笑顔そのままの眩しさで、彼女の残滓が輝いて空に溶けていく。
彼とあの人が言葉を交わしている。あっ、泣いた。はは、あれが男泣きってやつなのかな。いや、ちょっと違うか。

キキッ。

足元で鳴き声がした。
視線を向けるとカメラを掲げたソニックがいた。レンズの先は泣いている彼だ。その意図を察して、笑みをこぼす。

みんながみんな、彼をヒーローだとは言わないかもしれない。
それでも、誰かが一人でも信じるなら、彼はもう、まごうことなき立派なヒーローだ。



――ハロー、ワールド。

ヒーローに守られて、今日もこの街は平和です。


▼ 2015/10/10(2016/04/03up,2016/05/26move)

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