グランギニョールの人形は全ての腹への生贄だ 人は果たして巨人に勝ちうるのか。この問題は、未来永劫この世界に問いかけ続けるであろう。 圧倒的な力の差を見せ付けられた百年前。 ようやく打ち立てた安穏な生活を破壊された五年前。 いつでも人は、巨人に劣っていた。 それをここぞといわんばかりに巨人は食した。 玩具を扱うように人を掴み、面白おかしく弄ぶ。 巨人についての研究が進むたびに、アンジュは巨人への憎悪と好奇を大きくしていった。 巨人はどうやら、人間でいう消化器官が存在しないらしい。 ということは、捕食した人間を消化していない。 つまるところ、人間を捕らえ咥内に運び嚥下するまでの過程に意味があるのだ。 まるで、どでかい赤ん坊の遊戯に付き合っている気分だった。 このまま人類がすべて犠牲になれば、巨人は一体どうするつもりなのだろうか。甚だ疑問である。 自分がいる限り、人類滅亡などというふざけたことにはならないよう努めるつもりではあるが、やはり首を傾げずにはいられない。 今でも数は少ないが存在する巨人信奉者は、いくらでも自らを巨人の腹に捧げる気でいるらしい。 その上、どれだけ調査兵団が命を削ったところで、やはり今でも人類が巨人に適わないことは変わりない。 しかし結局はエレンの言うところの『戦わなければ、勝てない』。 目の前に立ちふさがる巨人共は到底意思疎通ができそうにもないわけだし、人類には希望を信じて討伐ありきで進撃していくしか方法はないのだ。 やがて周囲の人間が、戦いの中で次々死んでいったとしても。 最後には、たった一人、己しか残らないとしても。 ――それでも、自分だけは、巨人の生贄になってやるつもりは毛頭ない。 ( すべては人類の進撃のために ) ▼ 夢主はリヴァイをはじめとする仲間のために戦うけれども、その『ために』は、リヴァイたちのために戦って死ねるという意味ではなくて、皆の意志を受け継いで生き延びるという意味。一応進撃シリーズはこれでおしまいです。 2013/04/29(2013/09/29up) ←back |