「ん……はぁ、やだ、恥ずかしい……寒い……でも、気持ちいいよぉ」
公園のベンチの裏にある木に寄り掛かるようにして座って、自分のちんこを両手で扱く。
チラリとスタッフやカメラマンに目を向けると盛り上がってる股間が視界に映って、舐めたくなった。
でも今日は一人でやる内容だから誰かの精液を味わうこともできないし、残念だなあと思ったところで、この撮影が終わったら誰かを誘ってラブホにいけばいいんだと思った。
しかし今は先のことを考えるのではなく目の前のことに集中しなければ。
これが、何人ものおかずになるのだと思うと、考え事をしながらなんて手を抜けない。
目を細めて、口を半開きにして涎を垂らす。甲高い声をこれほどかと上げては耐えるように呻きを漏らした。
自分でやるのは嫌いじゃない。いいとこは、自分が一番知っているから。
でも人の手に触られたほうが何倍も感じる。次にどんな動きをするのかわからなくて、不意を突かれた時は体中が麻痺してしまう。
たまらないよね。セックス大好き。触られるの大好き。こうして見られるのも大好き。ゾクゾクする。
「あ、はぁ……イっ、ちゃ……やだぁ、ぅああ!」
気付けば無意識のうちに後孔に指を3本いれていて、唾液は首を伝って鎖骨、そして乳首まで垂れていた。
射精したと同時にふらつく意識の中で、ああ、確かに熱くなったなあと、思った。
てかこの体どうすんだろう。
このまま服を着るはずないし……でもシャワーがあるわけないから、しかし裸はさすがに辛い。
訪ねようと、立ち上がると九十九屋にバスタオルを投げられ、つまりこういうことかと体に巻くことにした。
早く事務所でも自宅でもラブホでもいいからシャワーがあるとこに行って誰か誘って抱かれたい。公園の入口のとこに停めてある車に乗ろうと、タオルを抑えたまま足を進めると、
見覚えのある金髪が、そこにはいた。
「…………あれ? 静雄くん?」
「いっ……臨也……! 別に、見るつもりは……つーか手前! こんなとこでなにしてんだよ!」
「なにって、撮影」
「外でかよ!!」
「外でだよ」
まさか静雄くんがいるなんて思ってもみなかったから驚いた。静雄くん、見てたんだ。いつからだろう。考えると何故だかさらに体が熱くなった。
隣にいる九十九屋が誰だこいつと言うように俺に視線を流してきて、でも静雄くんのことを知られるといろいろと不便だったりするわけで、すれ違い様にこっそりと耳打ちをして車に乗った。
「さっきの、誰だ」
「ともだちー」
「お前に友達とか、笑えるな」
「あはっ、失礼だね」
『前のラブホで待ってて』静雄くんにこっそりと告げた言葉。
今日は誰でもいい気分だったけど、今は静雄くんに触られたいかもしれない。
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