結構フリーダムな内容になっております。なんでも許せる方のみどうぞ
今日は学校だと思っていたのに、開校記念日やらなんやらで、休みだったらしい。俺としたことが、先生の話はしっかりときいておくものだな。来神の前まで来て、人がいないことを不審に思って生徒手帳を見たのがついさっきの話。そして今現在、俺の隣には、俺と同じように勘違いした男が一人。
「……お前なんか仕組みやがったな」
「開口一番それ? まずはおはようでしょ」
「うるせえ! 手前、なにしやがった」
「俺にキレる前に、生徒手帳でも確認すれば?」
でもシズちゃんって生徒手帳とか持ってなさそう。そう思って、親切な気持ちを込めて俺のを差し出したのだが、馬鹿にすんな! と怒鳴られてしまった。いや別に、馬鹿にしたつもりはこれっぽっちもないんだけど。自分の生徒手帳を取り出したシズちゃんは、今日の日付のページを見て、顔を歪ませた。まさかとでも言うように俺に視線を寄越してきたので参った。と肩を竦めた。
「……マジかよ」
「シズちゃんは授業サボってたからねー。知らないのも当然か」
「サボってねえよ。変な奴らに喧嘩売られて、出れなかっただけだよ」
「……ふーん」
まあ、その変な奴らをけしかけてるのは俺なんだけどね。心の中で笑いながら、隣の男を見遣ると、額に手を当てて、あーだのうーだの奇声を発していた。なんだなんだ? 学校がないことがそんなにショックだったのか。青春してるねシズちゃん! そんな呑気なことを考えていた俺は、次の言葉に絶句した。
「お前の家に行く」
「……は?」
どうしてそうなった。話しの流れが全く掴めず、目をパチパチさせていると、シズちゃんは俺の腕を掴んで、勝手に歩き出した。え、ちょっと、そっち俺の家。シズちゃんの家あっち。だがしかし俺の言葉なんて聞く耳がないようで、ズカズカ歩いていく。つーかなんで、俺の家知ってる訳!?
そんな思考も消すように、ただただ歩いて行くシズちゃんについて行くだけだ。いや、引っ張られてるだけだ。
「……俺の家に行ってなにするわけ? 破壊活動?」
「抜く」
「……マンションを引っこ抜くつもり? いや、ちょ、おま、それはいけないよ。ほかの人に迷惑が……」
「お前、慌てる前に俺の股間確認したか?」
「は……」
先ほどの俺の台詞をパクッたシズちゃんの言葉に、嫌悪を感じつつ視線を奴の下半身に向けてみると、そこは、……え?
「なんで、なんで勃たせてるの……? え? 俺なにかした? え?」
「起きた時からなんか反応してやがってよ、でも学校があるから仕方なくこのまま来た」
「馬っ鹿じゃないの! 遅刻してでもいいから一回抜いて来いよ! そんなもっこりして歩いてたらただの変態だよ!」
「そいうえば周りからの視線が痛かったような……」
「……今も痛いけどね。やだ、最悪……こんな奴と歩いてたら俺も変態扱いじゃん……」
あまりにもアホなこの男を嬲る言葉も思い浮かばず、どんよりとした表情で、周りの人に俺はこの男とは無関係ですよーということを一生懸命アピールした。……てかさ、なんで俺の家なの! あ、分かった。こいつ俺の部屋を精液まみれにするつもりだな。はは、それはある意味、暴力よりもダメージ大きいな。ていうかさ、
「掃除するのが大変だから止めて!」
「……は?」
「てか精液なんて掃除したくないし。やめてください」
「……お前何考えてんだ」
「シズちゃんこそ何考えてるんだ」
「お前のベッドの上で抜こうと考えてる」
「すみません聞かなかったことにします」
駄目だこいつ。今日はどこかおかしい。欲に頭がやられたか……。そんなことを思ってるうちに俺の家に着いてしまった。ああ……精液フラグ。ポケットに勝手に手を突っ込まれ、鍵を奪われる。マンションに侵入されて、家だけではなく何故か部屋番号も知ってるらしく、エレベーターで戸惑いもなく俺の住んでいる階を押される。俺はもはや連行された犯人だ。なんにも悪いことしてないけどね。
ガチャリ、部屋の中に入られる。ちゃんと靴は脱いでくれて、ああその程度の常識はあるんだね。なんて当然のことなのに軽く感心してしまった。部屋の構図はさすがに知らないのか、寝室を探しにあっちこっちの部屋の扉をしらみつぶしに開けていく。扉が開かれる度にバキッやらボキッやら、有り得ない音がして俺の頭は汗だらだらだ。
ついに寝室を発見されてしまい、シズちゃんは俺が普段寝ている白いベッドに真っ直ぐと向かう。腕を掴まれたままの俺も一緒になってベッドに行って、そしてベッド脇まで来たと思えば、投げられた。
「へ?」
思わず間抜けな声が口から漏れる。状況について行けないでいると、カチャカチャとベルトが外れる音がして、ぎょっとしてシズちゃんを見る。俺のことなど気にしてないように、下着と一緒にズボンを脱ぎやがって、凶器まがいなそれを晒してきた。完全に勃起していて、他人のものなんてそんなに見たことないけど確実に平均よりは大きいシズちゃんのそれを凝視してしまった。だってあんなの……俺のが小さすぎるのかと思わせるほどに堂々としたシズちゃんの姿に戸惑いはしたけど、シズちゃんは普通の大きさを知らないだけなんだ。と、気づいた。そんなものを俺の前で晒して、こいつは一体どうするつもりだ。
「……ね、なにしてんの」
シズちゃんの行動を静かに見ついた俺は、ギシリと音を立ててベッドに入ってきて、四つん這いになった姿を見てやっと声を掛けた。ちらりと俺を一瞥して、シズちゃんはぽつりと呟いた。
「まあ、見てろって」
その言葉を合図に、勃起したそれを片手で固定して、シーツに擦りつけ始めた。え、え? なに、俺の目の前でなにが始まったのか、全然、全く理解できないでいた。思考が停止するってこういうことを言うのかな。そんなことを考えている間にも、どんどん行為はエスカレートしていって、腰の動きは早くなっていく。先端らへんがシーツに擦れていて、ああ、あれ気持ちいいんだろうなあとどこか他人事のように見ていた。いや、他人事なんだけど、あのシーツは他人事じゃ済まされない。今日はソファーで寝よう。
シズちゃんの小さく呻くような声が耳に届いて、そろそろイくかな。イくなら早くイってとっとと帰ってくれと思っていたのだが、
「……なんで止めちゃうの」
激しく動いていた腰はこのタイミングで止まって、シズちゃんは身体を起こしてしまった。なんで、自分で自分を焦らしてるわけ? そんなのいいから、早くイけって。
「臨也、」
「なに、話はいいからとっとと……」
「動くなよ」
俺の顔を跨がって膝立ちのような体制を取ったシズちゃんは、片手をベッドヘッドに添えて身体を支え、俺の、眼前で、ちんこを擦り始めやがった。
驚愕。ついに声が出なくなった。なにをし出すんだこいつは。俯いたシズちゃんの顔が、下にいる俺からはよく見えて、その表情のなんとエロいこと。薄らと汗を浮かべて眉根を寄せる姿は男らしく、とても色っぽかった。ってなに見とれてんだ俺。それよりも至近距離にあるこれをなんとかしないと。この……赤黒い物体を。しかし俺の身体はシズちゃんが跨がってることにより、動かすのを戸惑われた。今この男の身体のどこか一部に触れたりなんかしたら自分が汚れてしまいそうな気がしたからだ。
「っ…………」
上下に激しく擦られるそれを嫌でも見てしまう。目を瞑ることだってできるのに今ここで瞑ったらその間になにが起こるか分からないという恐怖があった。じわりと滲み出した先走りが俺の顔に垂れる。ゾワリと気持ち悪さに鳥肌が立つ。たっ他人のちんこから出た液が、俺の顔に掛かった……。あまりにもショッキングな事実に意識が飛びそうになるがぐっと耐える。ここで意識を失ったらもっとひどいことになる……ああそもそも、なんでこんなことになったんだっけなあ。数十分前の出来事がとても遠く思える。
誰か俺を、この変態から助けてくれ!
※続きます。
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