「ね、静雄くん、できるでしょ？　自分のやるみたいに、俺のも触って？」

「な、なに、そんなの、無理だろ……！」

　あちこちに視線を流す静雄くん。でも、俺のものに触れる手はそのままで、思わず声を上げて笑いそうになってしまった。……しかし、いきなり童貞くんが人のもの扱くことなんてしなさそうだし、ていうかできなさそう。ここで無理させてトラウマにするのもおもしろいけど、使い物にならなくなったらつまんないし、仕方ない。

「じゃあ、初めての静雄くんのために、今日は俺が動かしてあげるね」

「は、……」

俺は、片手で静雄くんの手を握ったまま、もう片方の手ではバスローブを脱いで、全裸になった。驚きと羞恥に目を逸らす静雄くんがやっぱり可愛くて、握っている手にキスをした。

「大丈夫。静雄くんは俺のすることを見ててね」

ちゅっ、と音を立てて離した手を、再び下股に導き、静雄くんの手に自分の性器を握らせ、その上から自分も重ねるように手を添えた。

「……ん……」

そのまま、誘導するように上下に滑らせる。自分でしているけど、自分でするのとは違う感覚。大きい手、骨ばった指、厚い肌。男らしいそれに興奮は増すばかりで、どんどん動かす手を早めた。

「はっ、あ、……んんっ、しずおくんの手、きもちいっ……」

「いざや、……」

「ん……どう？　人の触るって。自分の手で、他人が感じてるって、気分良くない？」

「知らね……」

　それは肯定しているも同然で、微かにに口角をつり上げた。
　激しく扱くうちに、先走りが溢れてきてじゅぷじゅぷと卑猥な音を鳴らす。俺の体液で、汚れていく静雄くんの手を見て、次に静雄くんに視線を移したら俺の顔をガン見していて少し驚いた。それに比例するように性器からこぼれる先走りの量が多くなって、……ああもうホント、我ながらこんなに興奮しちゃうなんてね。

「ん、は、ぁ……やば、すごい、ハマる……」

「お、い。も、やめろって」

「やめない、だって、静雄くん止められないでしょ」

そう言って、下腹部に尻を押しつけると、予想通り、固く、勃ち上がっているものがそこにはあった。

「っ……！」

「嬉しいな。俺に興奮してくれるなんて」

「ちがっ……これは、」

「違くないで、しょ！」

「ぅあっ……」

ジーパン越しに、尻を思いきり押しつけ、腰を揺らす。そして前の手は止めないまま、動きを増すばかりだ。

「は、ん……静雄くんの、おっきいね……挿れたらきもちいんだろうなあ……」

「ば、か、……やめろっ、て」

「はっ、あ！　ぅああ……！」

ただ上下に動かすだけじゃ満足いかず、静雄くんの指を一本、親指と人差し指で取って、先端に爪を立てさせた。やっぱり、ここ、好き。背筋をゾクゾクとしたものが駆け抜け、一気に射精感が高まる。も、イきそうっ……

「あ、もっと、ぅあ、あ、イ、く、イくぅっ……」

後ろを刺激する腰の動きも早め、空いてる手では乳首をぐにぐにと摘み、その瞬間、すぐに射精してしまった。

「はっ、ぁ……はー、」

整わない息をゆったりと深く吸って吐く。
　予想以上に気持ち良かった。口の端からはよだれが垂れていて、自分がそれほどまでに夢中になっていたことに気づく。静雄くんを見てみると、白濁にまみれた自分の手を見て顔を真っ赤にしていた。俺はそんな彼の手をおもむろに口に近づけて、指を一本ずつ、丁寧に舐めた。自分の精液の味、嫌いじゃないし。
　さて次はどうしようと考えながら、後ろ手に静雄くんの勃起したものを触った。







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