そおっと、そおっと、


爪に落とす、キャンディオレンジ。


美味しそうな、オレンジ色。


部屋に漂う、シンナーの変なにおい。





「あれ、足。
爪がオレンジ色だ。」
彼氏の家に行った。
「おじゃまし」だなんて、中途半端なところで切られた私の挨拶。
「え、あ、うん。」
言われて自分の足元を見る。
あ、私、ペディキュアしたんだった。
「珍しいね。
そういうのしないと思ってた。」
「そうかなあ?」
化粧をしないからそう思うのかな。
昔からこれだけはするんだけど。
「うん、意外。」
「そっかあ。」
意外なのか。
なんて思いながら、もう一度挨拶。
今度は最後まで言い切った。
「・・・綺麗な色だね。
食べれそう。」
あ、私と同じ事考えてる。
「・・・食べれないよ。
いくら綺麗なオレンジでも私の爪だもん。」
食べられたら、私が困る。
「そりゃね。」
彼は私の言葉にそう返して、私の大好きな笑顔で笑った。
「・・・。」
「さ、いつまでも玄関にいないで、中に入って。」
「あ、うん。」





キャンディオレンジ、私のお気に入り。
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