幸村精市という男

06.16.Saturday

社会人になってテニスの王子様を見返した時、立海が最も古き日本の風習というか空気というか、そういうものが良くも悪くも色濃いなと思いました。
真田がそのイメージに一役買っている部分もありますが、やはり部長である幸村の信念がそうさせている気がしています。
彼は組織のために個人を切り捨てられるんですよね。それがたとえ自分自身であってもあっけなくバッサリと。その究極が、楽しめるはずのないテニスだったわけで。
神の子と謳われる実力があってもなお、自分を三連覇のための駒の一つと考えているあたりが、社会の歯車として従順に働くことを求められる古き日本の社会人と恐ろしく相性が良さそうだなと思った次第です。
けど彼の辛いところは、その根底にちゃんと人間らしい感情があるってことだと思います。ちゃんと悔しいし、怒ることもあるし、テニスができることも嬉しいんですよ。ただ、組織のことを考えてそれを封じるのが病的に上手いだけで。ひょっとしたら読者も含め周りが思ってるよりもずっと、幸村は感受性が豊かで繊細で傷付きやすいのかもしれない。そもそも芸術肌で植物を愛でる心がある人ですからね。
中編の社会人三年目幸村には、そんなありったけの妄想と性癖を詰め込みました(唐突のカミングアウト)


23:40|2018


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