『深海の底で待ってる』あとがき+α

06.08.Saturday

 別ページでのご挨拶になりますが、柳中編『深海の底で待ってる』をお読みいただけて本当にありがとうございます。ゴールデンウィークが終わった頃に未散様と柳について盛り上がり、その延長で決まった急な企画でした。持ちかけたのは私ですがその無計画性を遺憾なく発揮し、6月3日は自分の誕生日であるにも関わらず一日中柳さんを書き続けるという始末……いえ、本望ですとも。そうそう、余談ですが22歳になりました! 乾もおめでとう!
 青春真っ盛りな愛の果実産の参謀様を拝読させていただいた際、この26歳柳と並べたらヤバいと本能で感じ取りました。それくらい自分にとっては今回の中編はかなり好き放題に書き殴った内容になっています。まず柳がまったく参謀でも達人でもない! 参謀ファンに非難されることを怯えながらも、私が想像している柳は実は不器用で強くない人だったりしたので、欲望のままに書かせていただきました。
 未散様と決めたテーマの一つが「ひと夏の恋」だったので、これは長年温めていた人魚姫の出番だとハッスルしたのはいいのですが、よくよく考えてみたら例の姉妹シリーズで一番人魚姫らしいキャラは柳だったことに気付いてしまったのでさあ大変。乾との別れや、可愛がっていた後輩の赤也を他人に託して身を引くあたりから、原作の柳さんも私のイメージでは『肝心な時に何も告げず去っていく人』です。そんな奥ゆかしい彼のキャラクター性に変な肉付け(不二長編参照)をしてしまった所為で、このシリーズ内の柳蓮二さんはすっかり悲恋担当となってしまいました。実は、そのことについてとある読者の方からご意見を頂いたこともあります。柳のその後について気に掛けてくださった某氏にこれは届いているでしょうか?
 私自身が幼少期に転校を二回経験した身なので、今回はどちらかといえばヒロインよりも柳に感情が傾いた出来になっていると思います。柳が乾にさよならを言えなかった気持ちが本当によく分かるからこそ、そこを原点として気持ち悪い妄想を繰り広げさせていただきました。柳が純文学好きというのも引っかかります。近代の純文学では自分のプライドや時代背景に流されて自分の気持ちを素直に伝えられず悩む主人公が多い! 私が想像で書いた26歳にならないよう、原作の柳さんにはいつか自分の大切な人と向き合うべき時に向き合ってほしいなとか思ってたりします。
 最後になりましたが、このような作者の一人語りに最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。幸村長編が去年の6月5日に完結したので、もうあれから1年も経ってるんですね。需要なんて端から期待せず自己満足で始めたシリーズですが、いよいよ書き尽くした感がでてきました。あとはキング編と幸村兄妹編の伏線回収なのですが、あくまで未定ということにしておいてください。
 どちらにせよ、絵葉書の君が何故ニューヨークにいるのかを書いたら完結です。蛇足にならないようしっかり本命・不二周助について妄想しつくしてから挑みますので、気が向いた時にでもまた覗いていただけると幸いです。

チャコ


18:48|2013


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